1993年英国BBCドキュメンタリー「DREAM GIRLS」の宝塚トップスターたち

ちょっと昔の宝塚
画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=i8YLKo8Nzsg
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時々思いもかけない「偶然の産物」に出くわすことがあります。
全く「宝塚」のことなどアタマになく、他のものを検索していたときに見つけたクリップで、「ドリームガールズ」という題名だけでtakarazukaの文字もありません。ただし、杜けあきの昔の舞台の姿がちらりとよぎったのでビックリして開いたのです。

 

初めて海外で紹介された宝塚歌劇団の内側「DREAM GIRLS」

もしかしたら往年のファンの方たちはすでにご存じかもしれませんが、「DREAM GIRLS」は1993年に英国BBCで製作された宝塚歌劇団のインサイド・ドキュメンタリーです。

英国人の映像作家Kim LonginottoとJano Williamsが共同で作り上げたこの50分のドキュメンタリーは、宝塚の当時のトップ杜けあきの退団と宝塚音楽学校の生徒たちの生活、また当時のトップ真矢みきと安寿ミラの舞台にも触れています。

全体的には興味本位というより、宝塚という特殊な女性だけの劇団の中での男役娘役の役割分担と音楽学校で厳しく鍛えられた「女性としての修行」、そしてそこから日本での女性という性のあり方への疑問を呈しています。フェミニズムがまだそれほど台頭していなかった1990年代の日本を女性の立場からとらえたドキュメンタリーで、そこに宝塚を中心に据えたところが見事だと思いました。

ただし、この部分を書き出したら止まらなくなりそうなので、今回は宝塚の人物だけに焦点を当てて書きたいと思います。

 

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杜けあきの退団公演入待ち出待ちはカオスだった

いやー、最近の入待ち出待ちと全く違っていて雑然としていますね。ファンクラブの方たちも手を繋いで壁を作って群がるひとたちを防いでいて、あのまま「壁」が崩れたら下敷きになってしまうんじゃないかと心配してしまいました。しかし、僕が観劇していた1970-80年代もこんなものでした。

今のように整然と列を作って礼儀正しく座っていたり、「せーの」で送りの言葉を全員で読み上げるというのも見たことがありませんし、退団する生徒さんが真っ白な服で登場して神輿で楽屋に入っていくという華やかな演出もなかったように記憶しています。

たまにYouTubeなどで生徒さんたちの楽屋入り普段の姿を見ることがありますが、ファンクラブ代表(の方だと思いますが)ひとりで荷物を持って入口まで送っていきますよね。他のファンは押し寄せることもなく距離をとって写真を撮ったり手を振っているようです。現在のファンクラブはもっと厳しい規則が沢山できているのがわかります。

しかし「もう一度生まれ変わっても100%宝塚に入りたい」というのはかなり使い古された言葉だったのですね。今でも退団する生徒さんがほとんど全員同じようなことを言いますから。

 

宝塚音楽学校の合格発表で見た未来のスターたちにビックリ

宝塚音楽学校の合格発表はこのころは巻紙を右から左へずずっと広げていく方式でした。「合格された方は…受付までお越しください」は、80期生霧矢大夢です。声が子供っぽいですね。

そして、そのあと大勢のひとたちの中にオカッパ頭の可憐な中学生の姿が。下に着ているのはたぶん学校の制服でしょうか。
大和悠河です。
左から知人に「おめでとう」と声をかけられてとうとう小鬼のように顔を歪めて泣き出してしまいました。まだ15歳にもならない少女だったのです。背もそれほど高くないので、たぶんこれからまだ背が伸びたのでしょう。

初舞台を踏んでからどんどんと頭角をあらわし、最後にトップに上り詰めるのはこれから何年もあとのことになります。

続いて、彩吹真央が「考査票を持って中にお入りください」と幼い声で言っています。これから本科生になるので、すでに口紅を塗っているところが微笑ましいです。
後ろで横顔を見せているのは霧矢大夢です。

このあとで宝塚音楽学校の生活を見せていますが、掃除の仕方が徹底していることと、本科生に対する行儀作法にビックリしました。今でもこんなふうにガムテープを使って床を掃除したり、壁に沿って小走りで本科生ひとりひとりに挨拶しているのでしょうか。

本編では当時の本科生「すみれ募金」の日についても描かれています。
その日に私服で見に来ていた真飛聖(=予科生)に、本科生が意地悪なのかイタズラなのか、耳の上の髪にすみれの花をつけてしまいます。「またやってるの?かわいそうじゃなーい」「いいのよ、かわいいじゃない」「帰るときは絶対取るのよ、恥ずかしいからね」とからかわれて笑われて、それでも真飛聖は「はい」と大きくうなずくだけです。そして3人の笑う本科生たちにひとりずつ丁寧に「ありがとうございました」と言って去っていきます。それでもまだ笑う本科生たちを残して。

うーん、今だったら「いじめ」になるかもしれない場面だと思いました。

 

真矢みきはやっぱり男臭くてセクシーだった

当時のトップ男役、真矢みきと安寿ミラの舞台映像も入っていました。

真矢みきのダンスには彼女特有の華があります。ものすごく上手いというわけではないのですが、その強い眼差しと言い、後ろ姿の美しさと言い、やはり只者ではありません。

しかし、娘役の胸は意識してゆっくりと触っているし、脚に沿って手を這わせるところなど、息をのむほどセクシーで煽情的です。現在の中性的な男役たちよりはるかに男臭く、どちらかと言うと「女性が演じられるギリギリの線での男性」が真矢みきなのだと思います。

先日の一時帰国時にテレビで見かけた美しい女性「真矢みき」と同一人物とはどうしても思えません…。実際、宝塚時代もあまり男っぽくなかった天海祐希などと比べると、その変化にはやはり感心してしまいます。

 

YouTubeにあるのは短い紹介クリップだけですが、本編はコチラから購入できます。ナレーションは全て英語です。日本語版も出ているかもしれないと探してみましたが、中古のVHSビデオしか出回っていないようです。残念。

http://www.wmm.com/filmcatalog/pages/c215.shtml

この「DREAM GIRLS」は、物珍しさだけではなく、90年代の日本の女性の地位に関しても宝塚の中からの視点でやんわりと露呈させていて、当時すでに日本に住んでいなかった僕には大変興味深かったです。

 

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