2017年花組「はいからさんが通る」で3年後のトップコンビを観る

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花組の「はいからさんが通る」は、2020年前半トップお披露目公演として再演される予定でしたが、コロナ禍のせいで現在全て中止となっています。柚香光・華優希のトップコンビ舞台を楽しみにしていたファンの人たちには大打撃だったことでしょう。

2017年の初演舞台は去年沢山買って帰ったDVDのひとつで、やっと観ることができました。少々遅れましたが感想を書いてみたいと思います。

 

大和和紀の大ヒット漫画「はいからさんが通る」の舞台化

 

1970年代と言えば、池田理代子、竹宮恵子、大島弓子、青池保子、山岸凉子、木原敏江などのいわゆる「花の24年組」と呼ばれる団塊世代少女漫画の大家たちがいました。僕より年上の世代ですが、そこにはこの「はいからさんが通る」の原作者大和和紀は入っていません。作風の違いなど様々な理由がありますが、ここでは関係ないので触れません。

いずれにせよ、大和和紀の作品、特にこの「はいからさんが通る」はシリアスな場面はありますが、大正時代を軸にした「ラブコメ」と言っていいと思います。

お転婆で跳ねっ返り、革新的な考えを持つ少女花村紅緒が、ハンサムな少尉伊集院忍と出会い、昔からの許嫁だと明かされ、様々な楽しいエピソードや悲しい別れなどを経験しながらも最後には結ばれるストーリーです。

2017年には宝塚花組の外箱として上演され、当時まだ2番手だった柚香光の凛々しい将校姿とおきゃんで愛くるしい華優希が話題となった作品です。

 

凛々しい将校姿の柚香光はまるで漫画から抜け出たよう

 

柚香光の軍服姿は、もうただ「美しい」という他はありません。その立ち姿の凛々しさ、そして紅緒を優しく包み込む笑顔、どんなに彼女が叫んだり口をとがらせたりしても、鷹揚にかまえています。

これはもうハーレクイン・ロマンスの世界で、女性が理想とする男性の姿を描いていて、まさに宝塚男役の得意とするところでしょう。

以前「歌はもう少し精進が必要」と書きましたが、今回のこの舞台では主役として堂々とした歌を披露していました。彼女の声質に合った旋律だったのかもしれません。

その代わり、柚香光の素晴らしいダンスがあまり見られなかったのは残念でした。最後にデュエットでも来るかなと思ったら、あら残念、そのまま終わってしまいました。

 

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華優希の演技力はやはり称賛に値する

 

僕は花組「金色の砂漠」のときの華優希を覚えています。

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ほんの小さな役でしたが若き日の王妃を演じていて、その声の美しさに驚いたのです。

今回の生き生きとした紅緒は若い彼女にぴったりで、そのおてんば娘としてのうるさいくらいの紅緒と、二幕目の伊集院忍が死んだと思われたときのしっとりとした静かな声がとても印象的でした。顔の表情も豊かで、もっと違った大人の女性の役も見てみたいと思いました。

芝居の上手いひとです。
ただ、あのように美しい芝居の声を持っているのにそれが歌になると…声がこもっていて伸びないのです。どうしてかなあと考えてしまいました。

 

鳳月杏、天真みちる、聖乃あすか、そして桜咲彩花

 

鳳月杏のまるでオスカルのようなヘアスタイル…には笑いましたが、その最初のほうのコミカルな仕草と長い脚に結構似合っていました。
そう言えば、去年は初めてディナーショーをしましたね。どんな雰囲気だったのか、またその脚線美をみせてくれたのか、ちょっと気になりました。歌、ダンス、芝居と揃っていて、しかも妖艶な美女も演じられる貴重な人材だと思います。

そして、天真みちる。惜しいなあ、このひとを失ったのは。
美城れんもそうでしたが、こうした味のある若いバイプレーヤーが辞めてしまうのは残念です。彼女のコミカルな味は天性のものですし、「金色の砂漠」で見せた静かな役も「ミーマイ」での妙に存在感のある執事も、僕はとても興味深く観ていました。

そして、今回初めて見た聖乃あすか
女形役者の蘭丸役ですが、美しい顔、長い黒髪、なで肩で、最初は「娘役か?」と思ってしまいました。和物が似合いそうな若手ですね。声もよく通りますし、一度和物の主役で観てみたいものです。

さて、桜咲彩花。彼女もすでに退団してしまったのですね…。
芸者役も艷やかで色気たっぷり。「風の次郎吉」のときには次郎吉に思いを寄せるおてんば娘あやめを演じていたと思ったら、今度はこのなんとも麗しい芸者姿。上手いなあ。このひとこそ、どこか外の舞台でも演じてほしいとこっそり願っています。

 

 

今回中止になった公演では、退団してしまった生徒さんたちの役が振り分けられ、月組に移った鳳月杏の代わりに瀬戸かずやが青江冬星を演じるはずでした。ほんの少し脚本も変わるということで楽しみにしていたのですが、とても残念です。

 

 

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