3月11日、仙名彩世が宝塚大劇場に別れを告げました。
珠城りょうと同じ94期生として首席入団、実力が群を抜いていただけに、だれもが別格娘役として彼女を見ていたことと思います。現在ではもっと若い娘役トップたちの中にあって、こうした異例のトップ娘役抜擢に彼女自身がまず驚いたのではないでしょうか。それとともに、様々な重圧があったのではないかと推察します。
宝塚では神奈美帆以来実に32年ぶりの「新人公演主役経験のない娘役トップ」だったのです。
僕がナマ観劇をした花組「ミー・アンド・マイガール」では、奇しくも今回同時に退団する桜咲彩花とマリア公爵夫人を役替りで演じていました。僕は仙名彩世のマリア公爵夫人はDVDでしか見ていませんが、そのおっとりとしとやかで高貴な女性を見事に演じていて、僕はそこで彼女が「別格娘役」なのだと信じて疑いませんでした。
「風の次郎吉」でも桜咲彩花とのダブルヒロインでしたから、そうした意味でもこの二人にとってはとても不運な扱いだったと思います。
しかし、この「風の次郎吉」での手妻のお幸は仙名彩世の当たり役だったと言えます。僕はあまりにも感動してしまって、彼女に関してひとつ記事を書いています。彼女のトップ就任が決まったときのことです。
僕は彼女がこのまま初風諄、高宮沙千、そして上原まりへと続く実力派歌姫たちと同じ道をたどってくれることを願っていましたから、実はこの退団を少々残念に思うファンのひとりです。トップ在任が昔に比べて非常に短くなっていますから、仕方のないことなのかもしれませんが。
彼女がトップ娘役になってからの作品としては「ポーの一族」しか鑑賞していませんので、これからまた映像で観て感想を書いてみたいと思います。(CASANOVAは特にDVDを心待ちにしています)
仙名彩世の退団挨拶は、すでに各紙のサイトで詳しく述べられているので、そのひとつ、産経新聞サイトをご参照ください。
3月11日の東日本大震災にも触れていて、心に残る素晴らしい挨拶でした。
これから最後の舞台となる東京公演が始まるわけですが、仙名彩世にはその後外の世界でもっと自由に華やかに羽ばたいてほしいと切に願っています。
【追記】
今、もう一度記事を読み返していたのですが、ここでちょっと考えてから笑ってしまいました。かわいいなあ。
明日海さんのそばに立たせていただけたことで、私の人生は720度くらい変わりました。産経新聞ー宝塚花組娘役トップ、仙名彩世、本拠地に別れ
あれ? 720度って…360度が円周だから2度ぐるぐる回って戻ってきてしまいますよ。いや、戻ってきてほしいというのはファンの願いなのでしょうけど。(宝塚OGの舞台にはぜひ彼女を呼んでほしいです)
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