2018年宙組「天は赤い河のほとり」で真風涼帆のお披露目を観た

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オーシャンズ11のスーツ姿がカッコいいという巷の噂を聞きながら、僕はその真風涼帆のお披露目公演「天は赤い河のほとり」を観ていました。
最近の宝塚公演は「ベルサイユのばら」の大ヒットから漫画が原作という作品が増えているようですね。僕は最近の漫画はあまり良く知らないので、今回は原作未読の「ブッツケ本番」DVD観劇です。

ストーリー展開の駆け足に必死でついていく

駆け足のストーリーには「語り」が必要です。単行本で28巻という膨大なストーリーをたった1時間30分の舞台にするのですから、並大抵のことではありません。その点、このキックリ(凛城 きら)をそうした「語り」に選び、またヒッタイトの興亡史を書いて現代に残した設定は、原作を読まずに舞台を観る人たちにとってはある程度わかりやすかったと思います。

しかし、それでも出てきただけであっと言う間にいなくなってしまう役も多く、原作ではもっと引き伸ばされた小さなストーリーがあったのだろうなと想像することもありました。

こういう作品はどちらかというと1本物のほうが、ストーリーを駆け足で追うだけではなく、もっと深く掘り下げることもできたのではないでしょうか。少々残念でした。

また、なじみのない名前が多く、登場人物も多いため、時々誰がどの役だったのかわからなくなり、巻き戻して(…じゃないなあ、テープじゃないんだから。DVDでは一体どう言ったらいいんだろう)確かめなければなりませんでした。

以下「原作を読んだことがない、舞台についてのみの感想」ですので、間違いがあれば訂正していただけるとありがたいです。

 

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ナキアとウルヒはプラトニックな関係だったのか?

例えば王妃ナキアと神官ウルヒの関係。
初めて舞台を観た僕には、一体なぜ王妃の唯一の息子であるジュダを美しい金髪にして、王妃と金髪のウルヒの関係を観客に疑わせるのかと思いました。後にウルヒが宦官であることがさっと告白され、それは否定されました。宦官であることを強調させたいがための伏線だったのかもしれませんが。

しかしこれで退団した星条海斗が、静かな役でセリフ数も少ないながら、美しい立ち姿と長い金髪で舞台に謎めいた存在感を残していました。コミカルな演技の上手い生徒さんという雰囲気がありましたから、こうした本来の美しさが出る役柄は彼女の退団公演としての「静かな華」となりました。

 

ナキアとネフェルティティの悲劇

メインのストーリー(カイルとユーリの恋)にからませて、ふたつの恋愛が描かれています。ひとつはナキア(純矢ちとせ)とウルヒ(星条海斗)の恋。そしてもうひとつはネフェルティティ(澄輝さやと)と弟の黒太子マッティワザ(愛月ひかる)との禁断の関係(らしいと僕は思いましたが…)です。

どちらの関係にも悲劇としか言いようがない、やるせない情感が現れてほしいところですが、ここでも表面的にストーリーを追うにとどまりました。

このふたつの恋のひとつだけでも作品がつくれそうですが、ここもさらりと流されてメインのストーリーにほんの少し「花」を添えるだけになっています。

原作ではどうだったのだろうかという好奇心がムラムラと起き、かと言って28巻も読む気力があるだろうかと悩んでいるところです。

 

美しい衣装に感心し、時代考証に微笑む

真風涼帆の美しいペイルブルーの衣装や王妃と女官たちの衣装が美しく、細部に至るまでよく考えられていて感心し、衣装担当のスタッフの名前を見たらやはり有村淳でした。「1789」や「アーサー王伝説」などでも斬新な衣装を見せてくれて、僕が関心を持つデザイナーのひとりです。

ただし、時代考証は全く無視されていますが…。
例えばフィナーレの戴冠式の場面などの王と王妃のケープは完全に18世紀フランス王朝の戴冠式をモデルとされているようで、どう考えても紀元前ヒッタイトの衣装としては首を傾げざるをえません。

あ、でも「美しさは正義」の宝塚歌劇なのですから、これでよいと思っています。僕も実際には見とれていましたし、傾げた首はすぐに戻ってしまいました。

 

長くなりましたので、次の記事では主要キャストの感想を書きたいと思います。

 

 

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