さて、前回の出張で沢山買ってきたDVDとBDを観劇し始めました。
まずは月組の「夢現無双」と「クルンテープ 天使の都」を観ましたが、今回先にどうしても書いておきたいことがひとつ。輝月ゆうまです。
別格男役としての輝月ゆうま
宝塚用語というのでしょうか、僕には今ひとつあまりよくわからなかった言葉に「路線」と「別格」というのがあります。
そりゃ色々なブログを読んだり細々と観劇をしたりしていれば何となくわかってきて、「路線」はトップに向けて道が用意されている男役、そして「別格」というのはその「路線」から外れたけれどいい役がついたり階段降りで上位に位置する男役のことかなと思っていますが…合っています?
輝月ゆうまの舞台を観ていると、その「別格」男役としての位置を徐々に確立している実力派のひとりのようですね。
今年になってから東京で「オン・ザ・タウン」を観たときの感想はこちらです。
このときにも彼女の芝居と歌の上手さに目を見張りましたし、「BADDY」ではあまりの存在感に「最後まで何もしてくれなかったことの不満」を書いています。
輝月ゆうまの「存在感」は背が高いからだけではないのです。
「クルンテープ」のニューハーフに徹した見事なオカマ感
最初は「えっ誰?」と思いました。
たぶん誰もがこの月組1背の高い輝月ゆうまがまさかフルドレス姿で登場するとは、思ってもみなかったでしょうから。
彼女がこのトンガリ帽子姿で楽屋から出てくるときには、たぶんかなり気をつけないといろいろな所(つまり天井とか)にぶつかっていたのではないかと想像してしまいました。
僕は本場バンコクの「ニューハーフショー」も見たことがありますが、いやはやその美しさと言ったら。そりゃマツコ・デラックスのようなお笑いを誘うためのニューハーフもいますが、美を追求する彼ら(または彼女ら)には感動のため息が出ました。
そして、最後にチップを払えば一緒に写真撮影もできるのですが、横に立ってみて再びビックリです。いや、その美しさにはもちろんですがその「背の高さ」に。僕は180センチを超える大男ですが、その僕より背が高いひとが多いのです。もちろんハイヒールの靴を履いていますが、それでも舞台で見た可憐な彼女ら(または彼ら)が見上げるほどのひとたちだということに驚きました。
輝月ゆうまも175センチ以上あるということですから、もうそのニューハーフの雰囲気は只者ではありません。そして、本場バンコクのニューハーフショーとの決定的な違いは、彼女が低音からファルセットの高音まで出せる稀有な実力者だということです。あちらのニューハーフたちは口パクですからね。
彼女の周りで踊るダルマ姿の男役たちも、なぜか大きなひとたちばかりを選んだのか、またそのちょっとした「男役感の抜けきれていない仕草」はわざとなのか、もうニューハーフ以外の何者でもありません。
いや、凄いなあ、輝月ゆうまとそのバックダンサーたち。
男役として男を演じる女性たちが今度は女性を舞台で演じるこの「倒錯感」は、時々男役のダルマ姿として宝塚でもよくありますが、今回の輝月ゆうまはそれを突き抜けていて大変印象的でした。
輝月ゆうまの今後は…
「別格男役」として上がっていくのを見るのは頼もしいのですが、彼女には「なんでも屋」または「BADDY」のときのようなインパクトだけの役を与えてほしくないと思います。例えばシリアスな芝居の重要な助演役として、(影ソロではなく)芝居の中で心に残る歌をしみじみと歌ってくれないでしょうか。
そう言えば、輝月ゆうまも95期です。どう考えてもこの年は粒ぞろいの年と言うほかはありませんね。「路線」であろうが「別格」であろうが、僕はこの稀有な実力者をこれからも応援していきたいと思っています。
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