そして星組「LOVE&DREAM」の余韻は南半球へ

星組
画像引用元:https://spice.eplus.jp/articles/35200
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興奮いまだ冷めやらず、もうこうなったら自分の消えゆく記憶をメモしておくためにやっているようなものです。

さて、最後の「ノバ・ボサ・ノバ」で僕はもう手に汗を握っていました。あの「シナーマン」です。真帆志ぶきも安奈淳も真琴つばさも歌いました。僕の例えはかなり古いですが、その後も再演されて確か柚希礼音の星組でも比較的最近上演されましたよね。

最初歌い始めた男役が若々しくハリのある歌声で、まずビックリしました。あとでプログラムをチェックしたら、音咲いつきだとわかりましたので、これから注目したいです。
その僕のよく知る曲が始まると、キラキラと光を反射する衣装と舞台上の熱気が一体となって、そのまま観客のそばまで押し寄せてくるような思いを味わいました。

そして北翔海莉の歌い上げる最後へ。
何という声量でしょうか。自由自在に繰られて、胸のうちですすり泣くかと思えば腹の底から響き、高らかな勝利へと向かう彼女の歌声。それはただ口先だけの歌ではなく、彼女の全身全霊をこめた心と身体から発されるオーラのように会場に響き渡ったのでした。感動しました…。

北翔海莉のソロが終わって肩で大きく息をしているのを見たとき、彼女も全力を尽くして歌っていたのだなとわかりました。そして同時に音楽がまた激しさを増し、僕はホッとすると同時に感激で目頭がジンと熱くなりました。

僕は映画も好きですが、どちらかというと芝居やミュージカル、オペラなどの舞台のほうに惹かれます。それは、演ずる者と観る者との「濃密な時間と空間」の共有があるからなのです。その場にいた者にしかわからない共有が、舞台をより魅力的にしているのだと思います。

だから、このノバ・ボサ・ノバの歌とダンスが舞台に現れたとき、僕はその真っ只中にいました。もしDVDが出れば買うでしょうが、それは僕の記憶をなぞるものでしかなく、僕が体験した舞台そのものではありえないのです。

しばらく忘れていたこの宝塚観劇の感覚が戻ってきたので、舞台の幕が降りても僕はしばらく立ち上がれませんでした。いや、出口へ向かう観客で混んでいたということもありますが、何よりも「ここにいた」という余韻にもう少しひたっていたかったのです。

そのあと、急いでタクシーに飛び乗り最後のアポへ。少し早く着いてしまった僕は、ニヤニヤしながら鼻歌を歌っていて、遅れて着いたアポ相手に「ずいぶん機嫌が良さそうですねえ」などと言われてしまいました。

鼻歌ですか?
もちろん「ふぉ〜えばあ〜、たから〜づかふぉ〜えばあ〜」です。

オーストラリアに帰る前にアマゾンで「Disney Songs by TAKARAZUKA (DVD付)」というのを買いましたので、こちらを今は聴いています。DVDもついていますから、歌っている北翔海莉や妃海風の映像も観られます。

「アラジン」から「Friend Like Me」。北翔海莉は「もし魔法のランプにひとつ願い事をするとしたら」と問われて、「この歌を歌うための7色の声がほしい」と言っていますが、僕にとって彼女はすでに感情表現の豊かな7色の声の持ち主です。

「ノートルダムの鐘」から「Someday」。舞台でも歌っていましたね。いい曲です。

「アラジン」から「A Whole New World」。歌っている北翔海莉と妃海風の雰囲気がとても温かくて素敵です。妃海風の北翔海莉を見つめる尊敬の眼差しが恥ずかしそうで幸せそうで、何だか新鮮でした。

1度しか見られなかった僕の20年ぶりの宝塚でしたが、北翔海莉のディズニーと懐かしの宝塚に出会えてラッキーと言うほかはありません。日本に(たとえ出張などというヤボ用であっても)来る楽しみが増えました。

 

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星組
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ヅカメン便り from Australia

コメント

  1. 蘭月 より:

    あのみっちゃんの「シナーマン」本当に凄かったです!
    歌で涙したのはいつ以来だっただろうと…
    きっと、ノバは真帆さんのものなのでしょうけれど、残念ながら真帆さんのノバは知らないこともあり、子供心に感動した安奈さんのノバを超える舞台はないと思っております。
    当然「シナーマン」もそう思っておりましたが、みっちゃんの歌う「シナーマン」は心を揺さぶられました。あの舞台を生で観れ、あの「シナーマン」を生で聴けたことは本当に幸せで奇跡だと感謝しています。
    因みに、「One Voice」も素晴らしく楽しく、みっちゃんの想いが伝わってくる舞台でした。
    ムラではさよなら公演も始まってしまいました……。

  2. zukamen より:

    蘭月さん、こんにちは。
    「シナーマン」はすごかったですよね。
    あまりの迫力に、歌い終わったあとは本当にみっちゃんが倒れるのでは、とハラハラしました。
    真帆志ぶきの「シナーマン」は映像は残っていないようですね…残念です。
    僕も観てみたいです。
    One VoiceはたぶんDVD/BDが出るのではないかと今か今かと待ち構えています。
    退団公演は観劇ご予定ですか?
    僕のぶんまで楽しんできてください。涙用のタオル持参で。