もう25年以上前なんだなあ、と感慨深いです。
先日の記事にも書きましたが、剣幸が「川霧の橋」と「ル・ポワゾン」で退団したのが1990年です。
その千秋楽のときに併演された「剣幸さよならショー」を観ました。
懐かしい「ME&MY GIRL」の曲なども交えた剣幸の短いワンマンショーです。
1990年9月ということなので、このさよならショーの後に東京宝塚劇場で12月に退団公演、僕が見たのはその12月だと思います。
つまりこの短いさよならショーは初めて見ました。
僕がワインを飲むのも忘れて口をぽかんと開けたまま凝視していたのは、他でもないこの涼風真世の「アマポーラ」です。なんという情感豊かなアマポーラでしょう。涼風真世の歌にはいつもウットリしてしまいますが、この曲は特に彼女の音域を際立たせているように思います。
剣幸とこだま愛のダンスもゆったりとしていて、アクロバットも高いリフトも華麗で技工的なステップもない代わりに、懐かしい昭和の雰囲気を漂わせる古典的な宝塚風デュエットと言えます。
このあとはお決まりの緑の袴と黒紋付です。
最近では白いタキシードなどでその最後を迎えるトップもいると聞きますが、僕はやはり伝統的なこの袴で宝塚最後の舞台がきりりと引き締まるような気がします。
剣幸は入学時試験の声楽が43人中43番だったそうです。富山から出てきた「何もできない田舎モンの女の子だった」と自分でも述懐していますが、やはりその後努力と精進でトップの地位を築いたひとでした。確かに彼女自身が言うとおり、体格も華奢で小柄でしたが、舞台ではその身体が大きく見える存在感を持っていました。
花束を渡した二番手涼風真世はどうやら泣きそうになったらしく、剣幸に「しっかりしなきゃダメよ」とでも言うふうに肩を優しくぽんぽんと叩かれています。
最後にはさすがに剣幸も眼に涙が滲んでいましたが、その横でふっきれたように大輪の薔薇のような美しい笑みを送るこだま愛が印象的です。後ろでは麻乃佳世が大泣きしていましたが。
あと数ヶ月で、北翔海莉も同じように緑の袴で大階段に立ち、同じように白い花束を紅ゆずるから受け取り、同じように微笑みながら最後の挨拶をすることでしょう。
わかってはいても、やはりため息が出てしまいます。
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コメント
剣幸、歌の成績 悪かったんですか〜?知らなかった。
歌って 生まれ持ってのセンスが左右すると思ってたのですが…剣さんといい 北翔さんといい 努力であそこまで上手くなるのか…と感動。
並み大抵の努力では ないと思いますが…
それにしても こだま愛ちゃんも可愛かったな〜。
この二人、今でも 雰囲気が 当時とあまり変わってないですよね。
見ているだけで、ホンワカ幸せな気分にしてくれる…みっちゃんと風ちゃんに似てるわ(≧∇≦)
涼風真世…確か黒木瞳と同期でしたよね?
初舞台生の顔写真を見た時、この二人は、飛び抜けて輝いてたから 友達と すごい人が出てきたね!と騒いでいたのを思いだします。
あ〜、でも 刻一刻と みっちゃん、ふうちゃんの卒業が近づいてきているんですね。
こうもりの千秋楽から 7月3日からバウで8月後半から 大劇場…なんだか ものすごい詰め込んできたな〜。
年末までいて 宝塚スペシャルの星組コーナー、リベンジして欲しかった。星組の台本が悪くて…せっかくコメディセンス抜群の生徒が揃ってるのに、全然面白くなかったんです。
残念だわ(T ^ T)
ストレッチ友理子さん、
剣幸はとても素敵な男役でしたが、当時の他のトップたちと比べると確かに地味でした。ただし、ミーマイの成功はこのひとのキャリアに転換期をもたらしたようです。様々な動画で、他のトップたちのミーマイを見ましたが、僕にとってはこの剣幸のビルがその軽さといい、庶民的な愛らしさといい、様々な葛藤を表現することのできる芝居といい、最高でした。
北翔海莉と似ていますよね。
タカラヅカスペシャルはそんなに面白くなかったんですか? まだ見ていないのでこっそりと動画サイトで探してみます。