今回の東京滞在中には東京宝塚劇場で雪組公演「ファントム」があったにもかかわらずどうしてもチケットが取れず断念して、月組「オン・ザ・タウン」だけを観劇してオーストラリアに戻りました。
そんなわけで後ほどDVDを購入してじっくり鑑賞するつもりですが、取り敢えず先月11月に宝塚大劇場でスタートしたときの映像をYouTubeで見ました。
望海風斗の歌唱力はすでに昔から有名でしたが、今回はそこに雪組トップとしての矜持と存在感があふれていて、歌声にもさらに磨きがかかったようです。彼女の歌は聴くものをほっと安心させ、その情感に身を任せることができるのです。
男役トップたちはその特徴により一番彼女たちを目立たせる役どころが多くなりますが、望海風斗の場合は特にシリアス系のドラマが似合います。またはアクの強い主人公、例えば「アル・カポネ」や「ドン・ジュアン」など。前トップの早霧せいなもやはり演技の上手いひとでしたが、彼女にはキャラクター性の強い劇画・アニメの主人公がとても似合っていたように思います。
僕が最後に観たナマ公演は、去年2018年の「Super Voyager」と「ひかりふる路」でした。ですから、1年たったトップとしての彼女がどうなっているか大変興味があったのですが、初日映像を見る限りひとまわり大きくなった望海風斗でした。
そして、彼女の相手役となってやはり1年の真彩希帆。「ひかりふる路」では歌は素晴らしいものでしたが、硬さが目立ち、どちらかと言うとその上手さに情感が隠れてしまったように思いました。今回の「Phantom」のクリスチーヌはその歌唱力もさることながら、歌声に優しい女性らしさと愛情がにじみ出ていてもっと柔らかく響いていました。演技のほうは初日映像だけではわからず、この感想についてはもう少し我慢することにします。
さて、もうひとつ驚いたのが朝美絢のアラン・ショレ。初日映像ではわかりませんでしたが、他の方々のブログで彩凪翔との役替りだったと知りました。面白いですね。ひとりは美しく気高い洒落者の伯爵、そしてもうひとりはどうも小心者の小物としか言えない少々コミカルなオジサン。その朝美絢のアラン・ショレを見たとき、このひとは「美しい男役」とは対極に位置するような中年男をも軽々と演じてしまうのだな、と思いました。DVDではどちらがアラン・ショレを演じるのかわかりませんが、僕はどちらかというとこの朝美絢のほうに興味津々です。
そりゃナマで見るほうが数倍も感覚が研ぎ澄まされますが、他のミュージカルと違って宝塚公演は終了数ヶ月のうちにはDVDになるというところが魅力です。舞台では見られなかった細部や表情などもかなり近くで見ることができますし。
ただし、何週間も待たなければならないのが少々残念ですが。
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