2014年雪組「心中・恋の大和路」、壮一帆の美しさ

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何だか退団したトップたちのことばかり書いていますが、実際に観劇できないのだから仕方がありませんね。
先日日本から直接購入したDVDが届きました。僕は英国映画が好きなので英国アマゾンからもDVDを購入しますが、日本から郵送してもらったのは初めてです。
その中のひとつがこれです。壮一帆という大変短い期間雪組トップだった男役に惹かれ、買ってしまいました。

 

お話は有名な近松門左衛門の「冥途の飛脚」がベースになっています。遊郭の女梅川と恋に落ちた飛脚屋忠兵衛が、客の預り金を使いこんで梅川を身請けし追手から逃げながら破滅に向かう、という世話物のひとつです。

このところ宝塚の洋モノばかり鑑賞していたので、YouTubeで稽古場動画を発見したときにはとても新鮮でした。

そして、本編では壮一帆の所作の美しさにため息がもれました。首が長くほっそりとしていて、しかもなで肩という日本物を演るために生まれてきたような姿。上方言葉も大阪出身ならもちろんよどみなく流れ、セリフも聞き取りやすい。

また、相手役の愛加あゆが美しくあどけなく、一途に忠兵衛に寄り添う梅川を好演していました。親友の八兵衛を演じる未涼亜希も、友への心遣いと苦しい葛藤を重厚に演じて目が離せません。概して芝居の上手い組という印象を受けました。

最後の雪景色が白一色で美しく、梅川の頬に触れる忠兵衛の手が小さく震えていましたが、こういう細かい部分はDVDでなければ見られないものでしょうね。悲しい最後には僕も涙してしまいました。

壮一帆がたった3本のトップとしての公演を終えて退団してしまったのは、返す返すも残念です。遅咲きのトップとして、安定した演技、歌、そして踊り、と三拍子そろったひとに、もっと日本物を見せてほしかったと思います。

 

 

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