2014年というと宝塚百年に当たり、色々なイベントがあった年です。その1月にバウホールに上がった舞台「「New Wave! – 月」を観ました。
ちょうど4年前なので、今トップとしてまたはニ番手三番手として活躍しているひとたちが多く、楽しいショーになっています。この当時は美弥るりかのほうが珠城りょうより上に位置していたのですね。4年の間に入れ替わってしまったということでしょうか。宇月颯は次の東京公演で退団、咲妃みゆはすでに雪組から退団していますし、4年という月日は宝塚ではかなり長いという印象を受けます。
さて、鳳月杏です。以前は月組にいたのですね。
僕は実は彼女の舞台は花組「金色の砂漠」しか見たことがありません。ヒゲを蓄えた貫禄のある王様役で、もっと年の行った専科かと思ったくらいに朗々たる声量と落ち着きのある演技を見せていました。
それ以前の「ME AND MY GIRL」では役替りのジャッキーだったため、残念ながらフィナーレの「顔出し」以外はあまり若い男役としての彼女を知りません。
今回映像で見たのですが、その存在感に彼女から目を離すことができませんでした。素顔では（失礼ながら）どちらかというと左右に離れた目の童顔ですが、舞台化粧の映える顔なのでしょう。流し目が実に魅力的でセクシーです。歌も上手くて、ああそうだ、と思い出しました。「雪華抄」で確か銀橋で粋な浴衣姿の歌う男でしたが、そこでも歌の上手いひとだなあと思ったのでした。花組は歌の上手い男役が少ない印象を受けましたので、よけい目立っていたのかもしれません。
今回のこの「New Wave! – 月」では美弥るりかを中心に、（たぶんトップに向かって爆走中だった）珠城りょうがまだ若さゆえか歌にもダンスにも少々未熟さを露呈していましたが、その輝く存在感は無視できるものではありません。
それでも僕の目は鳳月杏に惹きつけられました。歌だけではなく踊れるひとだったことも新鮮でした。身長は現在の男役たちの平均でしょうが、何しろ脚が長い。それは第一部でジャンプスーツ姿を見せたときにも際立っていました。
そして、ベサメ・ムーチョ。ここでは珠城りょうがキザに歌っていましたが、中ほどででてきた素晴らしいスタイルのダルマ姿がその鳳月杏でした。長くスラリとした脚に見とれてしまったのは、僕だけではないでしょう。口はまさにポカンと開けっ放しだったと思います。
そりゃ男役のひとたちの「女装」は楽しいものですが、時としてそれはギャグであり笑いを誘うものも多いのが宝塚です。ただし、この場面の鳳月杏は違っていました。その流し目と長い脚と美しい姿勢で、僕は完全に参ってしまったのでした。
タカラジェンヌたちは、激しい練習量のせいか、細く長い脚でもしっかりと筋肉のついていることが多いと聞きます。古くは真帆志ぶき、近いところでは北翔海莉がそうですね。真帆志ぶきの脚は彼女が石立鉄男を相手に「スイート・チャリティー」を演じたときのミニスカート姿を見たことがありますが、美しい筋肉の浮いた長い脚でした。
鳳月杏の脚は、そうした筋肉のあまり目立たない完璧なフォームを持っていました。
さて、ダンスと言えばそのあとのジャズの始まりで暗闇に浮かび上がった黒燕尾姿の彼女もまた圧巻でした。トランペットを手に踊り、微笑みを口元に、手と脚が伸びやかに軽やかに舞台を自分のものとしていました。
こうした歌、ダンス、演技に飛び抜けている男役たちの中には、たまに「何でも屋」としてどうしても二番手三番手の位置に甘んじ、そして退団しなければ専科へ…というパターンもありそうです。北翔海莉もたぶんこの範疇だったでしょう。
花組の鳳月杏の場合は、果たしてどうなのでしょうか。
気になります。
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コメント
こんばんは！私、スターダムの映像で、ちなつさんファンになりました。さらに月組ロミオとジュリエットの新人公演も是非とも観ていただきたいです。ちなつさんのダンスパフォーマンスは、圧巻でした。あかねさす紫も楽しみです。
zukamen様 随分前にノバボサノバにコメントさせていただきました、はらぺこです。お久しぶりです。
鳳月杏さん、とっても素敵な男役さんですよね。大好きです。
花組を観にいくとずっとオペラで追ってしまいます。（同期の天真みちるさんも気になって探してしまいますが。）
「邪馬台国の風」ではあまり出番が無くて少々ガッカリでしたが、ショーの「Sauté」での客席降りでは私のすぐ横に来てくださいました。
歌劇団の戦略に乗ってグラスを買い、まさかの鳳月杏さんに舞い上がってしまった私に優しく微笑みながら何度もカチンとしてくださいました。今思い出しても顔がニヤケてしまいます。はい、自慢です！
5月には博多座で「あかねさす紫の花」で役替わりですが中大兄皇子がきまっていますね。全国ツアーでやってほしかった…残念です。
明日海りおさんの大海人皇子、鳳月杏さんの中大兄皇子、お二人とも似合うでしょうね。真っ直ぐな大海と色気と貫禄の中大兄、観たい…。
zukamen様の仰る通り今後の鳳月杏さん、とても気になります。
劇団に粗末に扱わないで、と願うばかりです。
私は6日に雪組で初芝居です。
望海風斗さんと真彩希帆さんの歌に酔いしれてきます。
ranntanaさん、こんにちは。
スターダムとロミオとジュリエットの新人公演ですね！さがしてみます。
ありがとうございます。
はらぺこさん、こんにちは。お久しぶりです。
ほう、「あかねさす紫の花」が再演されるのですね。僕は汀夏子の大海人皇子と麻実れいの中大兄皇子で観たことがあります。あまり覚えていませんが。博多座だけというのは残念…。
雪組の正月観劇を楽しんできてください。
zukamenさん、こんにちは。
ちなつさんは「月雲の皇子」で珠城さんの敵役？二番手？を演じられたのですが、すばらしいビジュアルと存在感で、私はそれ以来のファンです。みっちゃんが卒業してからはちなつさんにちょっとロックオンしてます。これからどういう活躍を見せてくれるのか、劇団は彼女をどうしてくれるのか、期待と不安で見守っています。
「月雲～」は2013年、バウで好評だったため東京での公演が決まったという幸運に恵まれ観劇することができました。DVDは出ていませんが、もし機会がありましたらぜひごらんください。珠城りょう、咲妃みゆ主演です。みゆちゃんがまた美しいのでした・・・。ちなみにみゆちゃんはこの月雲の東京公演の直前にメリーウィドウに出ていました。
ちなつさんは花組に組替後、キキちゃん（芹香斗亜）主演の「MY HERO」で二番目のたいへんおいしいところを演じていました。コメディで楽しい公演で、こちらはDVDが発売されています。最近では「はいからさんが通る」の冬星役がたいへん評判がよかったようですが、残念ながらチケット難で私は未見です。５月の博多座公演、中大兄皇子は二度と見られないかもしれない主演（に近い役）なので、博多座まで行ってしまおうかと悩んでいます。
いやその前に東京で「ポーの一族」です。ちなつさんは女たらしの医師クリフォード役です。ムラではもう始まっていますけど、ステキなプレイボーイになってるんじゃないかと。幸運にもチケットが手に入ったのでいまからとても楽しみにしています。
ヒメさん、こんばんは。
色々と鳳月杏の舞台を教えていただきありがとうございます。
2013年の「月雲の皇子」は見たことがありません。DVDが出てないというのは残念ですね。ちょっと探してみます。「MY HERO」は実はDVDを注文してありますので、これは観られると思います。「はいからさんが通る」もいいですね…オリジナルの漫画は僕も好きです。「ポーの一族」はやはり原作が好きだっただけにぜひ観たいと思っていますが、こればかりはまたDVDを待つしかなさそうです。東京公演を楽しんできてください！