七海ひろきというひとは宝塚の元男役スターですが、トップではありませんでした。
しかし、退団後に外部ファンが増えたという非常に珍しい現象を引き起こした張本人でもあります。裏には強力なプロモーション・チームがついていると見られ、あれよあれよと言う間にむしろ退団してからのほうが人気が出てきました。
僕もTwitterではフォローしていますが、「100万人のカレシまたはお兄様」とも言うような優しい語りかけです。ファンがそれこそ絶対に自分ひとりに語りかけていると錯覚しそうなほど、細やかで愛情深いサービスを心がけているようです。
その彼女が数週間前に予告していたとおり、とうとうストレートプレイの芝居で初主演の運びとなりました。
探偵のREDと刑事の熊田(BEAR)の事件ドラマ
「歌とダンスを織り交ぜたコメディミステリー」というキャッチフレーズがすでに出ていますから、完全にストレートプレイと言うわけではなく、何かしらミュージカルのような場面があるのでしょうね。
七海ひろきが名優西岡徳馬とバディを組むというだけで興味をそそられる設定ですが、殺人をからませたドタバタコメディーミステリーというところでも一体どんなストーリーになるのか皆目見当がつきません。
超人気バンドのプロモーションクルーズが華やかに始まり、豪華客船という海上の密室殺人に繋がるのですから。
もうひとつまだどうなるのかわからないのが、七海ひろきの性別です。
現在の雰囲気のまま登場するとなると、『華麗に事件を解決する謎の私立探偵』として性別不詳の爽やかな微笑みで観客を煙に巻くのでしょう。これもまた、楽しみで仕方がありません。
脚本を書くのは…なんと天真みちる
もうひとつ驚いたのは、さらりと名前しか出ていませんが「脚本 天真みちる」という文字です。舞台に直接登場するキャストではないので写真がないのも当然ですが、それでもここで元宝塚生徒が新たな才能を見せてくれるのですから大したものです。
天真みちると言えば「タンバリン芸人」として昔は名を馳せたらしいですが、あの「金色の砂漠」での静かな脇役が大変よくて今も覚えています。
しかし、美城れんに続いてこのひとも退団し、若手の何でもできるバイプレーヤーはもう宝塚では育たないのかと少々ため息が出てしまいました。
でも、退団後にも彼女独特の楽しい芸はまだまだ続いているようで、今度はなんとnoteで連載まで始めたということです。
さっそく行って読んでみましたが、あの語り口そのままの楽しい文章です。このまま色々な宝塚のことなどエッセイ風に綴ってもらいたいと思いました。
そう言えば、昔は岸香織という楽しい文章を書く名脇役が宝塚にいましたね。僕は「歌劇」で彼女のコラムを読むのが楽しみでした。亡くなられてしまいましたが、もう覚えているひともいないかな。
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