遅ればせながら、宝塚歌劇団100周年 夢の祭典『時を奏でるスミレの花たち』が楽しかった

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年が明けてすでに「2年前」になってしまった100周年の祭典動画ですが、2015年から2016年にかけて(つまり年末から正月にかけて)やっと3日分全部鑑賞しました。

司会の真矢みき、このひとは頭の回転が速いし面白い。初めての司会ということでそりゃソツもありますが、何よりそれをジョークに取り混ぜて先へと進めていくのに感心しました。ド派手なタイマーを小物として使い、何とか時間内にトークをまとめているのも上手いです。

そう言えば、現役トップスターたちがトーク後真矢みきの前を通るときに腰までかがめていて、いきなり下級生に戻ってしまっていました。こういうところにも、いい意味での年功序列が仕草にまで現れていて微笑ましいです。

さて、紫苑ゆうと白城あやかが「うたかたの恋」を歌いましたが、真っ白な軍服と気品のあるドレス姿。これには驚きました。現役時代のオーラを全く失っていないのです。衣装はどちらも「自前」だそうですが、いやはやお美しい。紫苑ゆうが手を添えた白城あやかの細い腰にウットリしました。紫苑ゆうは今も現役当時の凛々しさで現在音楽学校の講師、そして白城あやかは子育て真っ最中の主婦ですが、何だかこのふたりを見ていると時間がとまってしまったような思いです。白城あやかには、お子さんの手が離れたらぜひまた舞台に戻ってほしいです。

こんなふうにまだ声量のあるひともいれば、全く昔の声を失っているひともいます。
現役で活躍しているひとでも、芝居では使っていない声を出さなければならないと見えてかなりとまどっていたようでした。久世星佳の力強く美しい歌声を覚えているファンたちは、懐かしさと悲しさの入り混じった思いをしたことでしょう…。

いずれにせよ、テレビで懐かしい歌手たちに遭遇するときにも、現在どんなふうになられたかを知りたいという興味と、昔の美しい姿と歌声のままで心に残しておきたいという願望ととが入り混じり、それでもその老いを見たときのちょっとした悲しみはひいては自分にも戻ってくるものですね。つまりは、自分も同じように年取ったということなのですから。

そして、往年のトップスター真帆志ぶきは、2014年当時御年81歳。
声量は衰えているし、お話も(僕の老母と同じように)心もとない。でも、音楽が始まれば、昔のようにぴんとはった背筋で、差し伸べられる手も男役のものです。しかもものすごく高いヒールの靴までお履きで、あれで歩けるのはスゴイ。こういうふうに、見るものの感傷を吹き飛ばしてしまうような御大もいらっしゃいます。

スータン!の大向うからの独特の掛け声も、とびきりの間合いと響きをもって胸に飛び込んできました。スータンのように「そのひとだけへの愛を叫ぶ大向う」が出るスターはもう出ないのかもしれません。

全体的には僕のような往年の宝塚ファンにはとても楽しいものでしたが、歌だけというのが少々寂しい。宝塚は歌とダンスと芝居なのですから、せめてダンスだけでも見たいなあと思いました。でも、歌と違ってダンスは体力がものを言いますから、お年を召したスターたちや全くダンスから離れてしまったスターたちには歌のほうが楽、ということでしょうか。

 

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