「宝塚バトン」で「ご贔屓だったひと」と「お気に入りの舞台」に思いを馳せる

ちょっと昔の宝塚
画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=rroAmK_yqoI
スポンサーリンク

さて、「宝塚バトン」…サッサと進めましょう。(←ただの願望)

2)最初に好きになったジェンヌさんはどなたですか?

これはもう安奈淳ですね。(大きく書く必要はないんですが、ほとんど僕の初恋なので)

1975年空前のヒットとなった「ベルサイユのばら」で、オスカルの美しさにやられちゃったわけです。今なら「もう食傷気味〜」とおっしゃるファンもいるかもしれません。でもあのころ初めて観たひとたちなら覚えているでしょうが、漫画をそのまま舞台にしてしまったようなきらびやかな夢の世界に、皆めまいのするような思いを味わったものです。その後はもちろん1976年の「ノバ・ボサ・ノバ」もあって退団されたときには「どうしてもっと早くから彼女の舞台を観なかったのか」と地団駄を踏んだくらいです。

続「LOVE&DREAM」のシナーマンを思う - オリジナルから北翔海莉へ
「ノバ・ボサ・ノバ」はその後1976年に再演されましたが、その時のソール役は安奈淳でした。僕が見たのもこの公演です。残念ながら、今となってはあまり覚えていませんが。 映像は周りの生徒たちの顔もわからないくらい粗悪ですが、それでも安奈淳の迫力...

前回の記事に「シエスタの庭」のシエスタさんからコメントをいただきましたが、その中にあった「男役もオフではスカート姿だったとか」。
それで、思い出しました。

出待ちのひとたちから遠くポツンと眺めていたときに、出てきた安奈淳は紫とピンクの中間のような淡い色の柔らかいドレープのある膝丈ドレスを着ていたのです。多分どなたかと会うための装いだったのかもしれません。公演後の楽屋口の闇の中から現れた美しい姿に、僕は遠くからぽかんと口を開けて見とれていました。その後、そのドレス姿で宝塚グラフのグラビアにも載っていました。今は、男役はオフでも徹底して誰もスカートを履かないのですね…。

3)現在、ご贔屓のジェンヌさんはどなたですか?

現在の「ご贔屓」と言われたらもうこのひとしかいませんね。北翔海莉です。
観客が安心して楽しめる円熟した芸を持っています。最初はビリだったっそうですから、才能に多大な努力を注いだのでしょう。何と言っても歌が上手い。宝塚の歴史には残念ながら「大丈夫かな大丈夫かな、音を外さないで歌い終えてくれるかな」とハラハラさせるくらいのトップさんも何人かいたからです。その点、北翔海莉は歌もダンスも芝居も抜きん出ていますし、存在感もあります。

僕はトップスターの私生活にはあまり興味がないのですが、それでもネットの端々で見つかる北翔海莉の普段の人柄には胸を打つものがあります。稀有なトップだと思います。

4)ご贔屓とまではいかないけれど、気になるジェンヌさんがいたら教えて下さい

舞台をナマで観たことがあるのは最近では「LAVE&DREAM」だけで、あとはDVDと動画サイトで鑑賞しています。だから、舞台を観たことのないジェンヌさんも含まれています。退団しないうちに(またはトップでいるうちに)ぜひナマの舞台を観てみたいものです。

星組:七海ひろき、音咲いつき、ひろ香祐、天彩峰里、瀬央ゆりあ
月組:珠城りょう、美弥るりか、暁千星
宙組:朝夏まなと、真風涼帆、愛月ひかる
雪組:望海風斗、月城かなと、咲妃みゆ
花組:明日海りお、柚香光
専科:夏美よう、星条海斗

娘役が少ないのは、あまりよく知らないからです。

またすでに退団してしまったジェンヌさんの中にもとても気になるひとが多いので、それはまた記事にしようかと思っています。凰稀かなめのように、ね。このひとは将来絶対に芝居の舞台に残ってほしいひとのひとりです。歌もダンスもそれほど抜きん出ているわけではありませんが、芝居への繊細なアプローチがもっと評価されてもいいと思います。男役というカセを外されてこれからどうやって伸びるのか楽しみです。

5)よく観るのは何組ですか?

昔は、どれもよく観ていました。東京まで来る公演が今より少なかったせいもあります。
現在は、皆さんもよく知るとおり、星組しかナマの舞台を観たことがありません。(それだけで興奮してしまい、とんでもなく長い記事をいくつも書きましたが)

6)お気に入りのお芝居を好きなだけ挙げて下さい

1975年星組「ブリガドーン」
10代の僕には衝撃の舞台でした。今でも色々な場面をはっきりと覚えています。このひとつ前の記事に書いた「初めて見た舞台」です。

1976年花組「ノバ・ボサ・ノバ」
言わずと知れた安奈淳主役の芝居です。すでに以前の記事にも書きましたが、フィナーレの「シナーマン」の迫力が忘れられません。

1983年花組「霧深きエルベのほとり」
順みつきのカールに若葉ひろみのマルギットでした。荒くれ船乗りと深窓のお嬢様のはかない恋の物語です。

順みつきは男役としては160cmそこそこでかなり小さいひとでしたが、舞台では堂々としていて素敵な男役でした。安奈淳とは違ってとても男くさく、いい意味での昭和のキザなお芝居をしたひとです。実は今回偶然YouTubeで全幕通しで観ました。懐かしいです。歌の数々も思い出しました。

もうひとつ、昭和の舞台と現代の舞台の決定的な違いは「大向う」が出ることですね。ここでも「ミッキ〜!!」が飛んでいます。今では宝塚OGの舞台で真帆志ぶきが出演するときに、「ス〜タ〜ン!!」が聞こえるだけです。

1987年月組「ミー・アンド・マイガール」
剣幸の初演を観ています。その後1990年代にはロンドンでも観ましたが、剣幸とこだま愛のゴールデンコンビの印象が強くて、あまり記憶に残っていません。宝塚では大ヒットでその後1年間も各所で公演され続けた不朽の名作です。

剣幸は昨年出身地の富山で30年ぶりにビルを演じられたそうですね。男女混合の舞台なので、演出も雰囲気も違うと思いますが、どんな舞台だったのでしょうか。

剣幸は常にこだま愛と「セット」で語られなければならないと僕は思っています。それほど息のピッタリあったすばらしいコンビでした。剣幸という男役は、その当時「アイドル」でしたが、老若男女誰にでも愛されたトップスターでもありました。柔らかくそれでいて力強い歌声、小柄ながら舞台に現れるだけでその存在感を会場に溢れさせる芸達者です。確かアドリブも上手でした。そして、こだま愛という最高のパートナーを得て一気に頂点へと登りつめた感があります。

こだま愛は歌唱力もさることながら、その愛らしいたたずまいと芝居のうまさが抜きん出た娘役でした。その二人が組んで世に出したのが「ミー・アンド・マイガール」です。こういう娘役は何年かに一度しか現れません。現在の娘役たちが下手だとか、華がないというのではありませんが、その圧倒的な存在感のあるひとが少なくなったという意味です。「文句なしの娘役」というのは、加茂さくら、初風諄、大原ますみ、遥くらら、こだま愛、花總まりなどのように男役を引き立てるだけでなく、自身をも主張した「コンビ」としての迫力を目指すひとたちだと思うのです。そして劇団側も娘役を安易に消費せず、もう少し長い目で育てて貰えればというのが僕の願いです。

「ミー・アンド・マイガール」について考えると、今もあの長いテーブルを使った歌とタップダンスが目の前に浮かびます。残念ながらそれは今もYouTubeに残る天海祐希と麻乃佳世ではなく、僕の記憶の中の剣幸とこだま愛なのです。

初演の動画としてはどこにも残っていないようですが、iTunesではこだま愛とのデュエットなどのオリジナルがダウンロードできる「そうです」。いや、僕のiTunesアカウントはオーストラリアのもので、日本のiTunesnの曲には国外からはダウンロードできないものがあるんです。残念ながら、このアルバムは国内仕様のようです。というより、iTunesにある全ての「宝塚歌劇の楽曲」は日本のアカウントを作らないと購入できないようになっています。何とかしてもらえないかなあ。日本のiTunesでは、ほとんどのものは国外からのアカウントでも買えるんですがね。こないだは布施明のジャズもダウンロードできました(余談ですがものすごくいいです。酒を飲みながらの夜にでも)。

1993年雪組「忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜」
杜けあきの退団公演でした。確か僕にとっては最後の宝塚観劇だったと記憶しています。段々と疎遠になってきたころでした。仕事が忙しくなり、帰国してのんびりと観劇をする暇もなくなったのです。

雪組は昔から日本物に強い組でしたが、杜けあきのこの「忠臣蔵」のときには、もう実力も花もある男役がドッサリいて目がチカチカしそうなほどでした。一路真輝、高嶺ふぶき、海峡ひろき、轟悠、香寿たつき、そして下級生のほうには和央ようか、安蘭けい、寿つかさがいました。スゴイでしょう? 男役が全員あの赤穂浪士の衣装で大階段を降りてくるときの迫力は、さながら和風黒燕尾だなあと感心したのを今でも覚えています。

杜けあきは所作も立ち姿も非常に美しく、歌も安定していてじっくり聴くにふさわしい貫禄がありました。脇を固める男役たちの抑えた演技も素晴らしかったです。できればもう一度通して観てみたいものです。

2013年「メリー・ウィドウ」DVD
この舞台DVDで僕は北翔海莉に心酔してしまいました。相手役の咲妃みゆも歌も容姿も美しく申し分のないトップ娘役です…と思ったら、組替えで雪組に行きホントにトップ娘役になってしまいました。この歌の動画がYouTubeにありましたので、貼り付けておきます。ウットリしますよ。僕が書いた記事はこちらです。

2013年月組「メリー・ウィドウ」の北翔海莉と仲間たちに感動
「メリー・ウィドウ」は実は本場ウィーンで観たことがあります。オペレッタは重厚なオペラ悲劇とは違い、軽い喜劇なのでどちらかというと大衆劇のカテゴリーで、笑いながら楽しめるものです。 僕が観たのは、お正月のイベントのひとつでコンサートとしてのメ...

 

2013年「心中・恋の大和路」DVD
たった3作で退団してしまった壮一帆の亀屋忠兵衛と愛加あゆの花魁梅川でした。さすが昔から言われる「日本物の雪組」らしい美しい作品です。最後の未涼亜希の熱唱にも泣けました。ブログにも書きました。

2014年雪組「心中・恋の大和路」、壮一帆の美しさ
何だか退団したトップたちのことばかり書いていますが、実際に観劇できないのだから仕方がありませんね。 先日日本から直接購入したDVDが届きました。僕は英国映画が好きなので英国アマゾンからもDVDを購入しますが、日本から郵送してもらったのは初め...

去年から大量にDVDを日本アマゾンに発注、ネットでも動画サイトの宝塚公演をブックマークしているものだから、もっともっとあるかもしれません。例えば「風の次郎吉」はまだDVDを開けてもいないし。

さあ、もうひとつは「お気に入りのショー」という質問なので…次の記事にします。
しかし、まいったな。全然サッサと進まないや(楽しくて)。

 

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村ランキングに参加中。クリックしていただけると嬉しいです。

コメント

  1. シエスタ より:

    わぁ、楽しいですね〜!
    知ってる作品も、知らない作品も、zukamenさんの解説を拝読しながら、ワクワクにシンクロしました。
    一問一行……無理ですよね。
    ミーマイは私も、剣幸&こだま愛のビル&サリーが原点です。
    それ以上に、ジャッキーが素敵で印象的でした…♡
    涼風真世は私にとって、最高のジャッキーで、最高のオスカル様でした。
    咲妃みゆは、近年稀な逸材だと思います。
    明日海りおと組んだ『春の雪』、珠城りょう&鳳月杏とのトリデンテ『月雲の皇子』も良かったらご覧ください。
    願わくば、明日海さんのお嫁さんになってほしかったです…(涙)
    北翔さんは、辿られた宝塚人生がすでにドラマですよね。
    紆余曲折と努力を経て、誰よりも高い技能という基盤を持った上で、さらなる鍛錬を積み続けていらっしゃるのでしょう。
    ほとんど縁のなかった星組を、柚希さんとはまた異なる強力なリーダーシップで引っ張っていらっしゃいますが、相応の力を蓄えて来られたからこそ出来た事だと思います。

  2. zukamen より:

    おお、シエスタさんも剣幸のミーマイをご覧になりましたか!
    涼風真世のジャッキーも素敵でした。僕は彼女はあの後娘役に転向するのかと本気で思いました。何しろほとんど1年間ジャッキーでしたから。僕は観たことがないのですが、最後のほうでは剣幸と役替りをしたとかどこかで読みました。
    涼風真世は、今では「昔妖精、今は妖怪の涼風真世です」というキャッチフレーズでインタビューなどもしていますが、今もまだお綺麗でビックリしました。外の舞台でも活躍しているようですね。
    咲妃みゆの「春の雪」と「月雲の皇子」は何とかして観たいと思います。情報をありがとうございます。何しろ、ごっそり抜けた知識のせいで、まだ右も左もわからぬ状態です。それなのにこんなながーい記事を書いてしまうのですから、お恥ずかしい限りです。
    北翔海莉は、これからどうなるのでしょうね。
    まだまだ見せていただきたいとは思っていますが、次の出張がナントカまた星組の公演に当っていただきたいものです。

  3. hanihani より:

    こんにちは!
    富山で一昨年かな、観ました!昨年はそれの再演ですね。
    ウタコさんがしばらく男役を封印していたこともあって、最初は違和感を感じるところがありましたが
    何回か見ていたら千秋楽はビルがかなり戻ってきていました。
    宝田明さんがジョン卿で素晴らしかったです。
    マリアおばさまは中尾ミエさんで、可愛かったし。
    ただ、ビルとサリーといえばやっぱりミミちゃんとのコンビが
    一番だよ!と思うので、
    完成度の高さとコンビ力として、昨年の「スーパーギフト」が
    初演のビルとサリーにかなり近くまで復活していて、本当に何度も通ってみてしまいました。
    うん、良かったですわ。
    天海とヨシコちゃんのはヨシコが喉が不調の時に録画して
    それを売るという飛んでもな公演だったので気の毒で観れません。
    可愛そうだよ!いまなら劇団はネットでたたかれまくりますね。
    で、富山に戻りますがアンサンブルとかがやっぱり宝塚だと全員「あれはxxちゃんだ」という楽しさがありますが外部はそうはいかないこともあって、少し物足りなかったです。
    一応オーディションで選ばれて東京から沢山いらしていたようですが… あと地元のバレエ団とかの方たちも出演していたりで、それはそれで楽しかったです。

  4. zukamen より:

    おお!富山のミーマイ、ご覧になりましたか!
    男性の中でまた「男役」を演るということで、どんなものかと気になっていました。ああいうものはテレビでは見せてくれないのでしょうね…。
    でも、僕はもう一度剣幸とこだま愛のミーマイが観たいです。映像として残っていないからなおさらかもしれませんね。スーパーギフトはDVDにならないのでしょうか。動画サイトでは2−3分のクリップと稽古動画だけですので、もしDVDがあれば即買いなんですがねえ。
    それにしても、hanihaniさんはフットワークが軽くて、色々な場所で観劇していらっしゃるのでスゴイです。