客席参加型の宝塚観劇

ヅカ独りゴト
By 663highland - 投稿者自身による作品, CC 表示 2.5, Link
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僕が本格的に観ていた大昔にはなかったことのひとつに「客席参加型」の公演があります。

前記事の2014年「New Wave」でも最後に客席と一緒に「波」を作っていました。
北翔海莉のコンサートでも皆さんハッピを着て踊ったそうですが、あとはキラキラ光るものを購入してそれを振ったりすることもあると聞きました。そう言えば「LOVE & DREAM」でも皆さん振っていましたね。今思い出しました。

オーストラリアにも客席参加型の舞台はあります。子供たちに人気のあるいわゆる「おかあさんといっしょ」風の番組の舞台版で、コチラは宝塚とは少々違います。大人の参加型は少ないですが「Sing Along」というのはあります。つまり「サウンド・オブ・ミュージック」やABBAの「マンマ・ミーア!」などで、客席が一緒に歌えるものです。これはあらかじめわかっているので、一緒に歌いたいひとしか行きません。

宝塚の場合は全ての舞台がそうではなく、たまにそうしたおもちゃが販売されたり、観客が立って踊ったりというのがあります。これには好みもあると思いますが、僕は率直に言ってかなり戸惑うほうです。参加して身体を動かすより、座ってじっくりと鑑賞したいのです。ですから、オーストラリアでも「Sing Along」の舞台へは行きませんし、おもちゃも買いません。宝塚でも買うのは公演プログラムか雑誌、DVDぐらいです。

僕のように舞台一般が趣味で他のミュージカルやストレートプレイも含む「演劇が好きだ」という観客には、客席で踊るのはやはり少々無理があるということです。それが楽しくて行くファンもいるのでしょうから、好みの問題は難しいところですね。半分は踊りたいひとたち、半分は踊りたくないひとたち。

僕は客席と舞台の一体感は、「舞台上の迫真の演技とそれに応える観客の高揚感」によりもたらされると思っています。舞台鑑賞は客席参加というファンへのお土産を追加しなくとも十分に満足を与えるものでなくてはなならないし、また宝塚歌劇はそうした舞台を今まで提供してきたからです。

これは僕の個人的見解ですので、もちろん客席参加型を楽しむ方たちも多いと思います。

 

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コメント

  1. にゃん魚 より:

    客席参加は歌劇ビジネスの売上増のためではないでしょうか。
    タカラヅカは100周年頃からつねにチケット完売で、入場料売上はこれ以上伸ばせない状況です。となると売上増には物販か飲食を増やすしかないのですが、それが可能なのは兵庫の大劇場だけ。東京宝塚劇場には大劇場のようなレストランも広い土産物店もありません。
    客席参加のさいに使うグッズは公演ごとの使い切りで毎回新しいものが発売され、一個800円〜1,000円です。原価はおそらく100円しないでしょう。決まった商品を売るだけなので広い売場は必要ないし、販売時間も販売にかかる人件費も少なくて済みます。ネット販売もしています。
    客席参加のダンス(振り)は、スカイステージで若手スターによるレッスンが行われます。その際、かなり露骨にグッズを推奨します。また販売方法も、東京公演時にグッズが残っているよう、大劇場公演期間は一人一個の購入制限をつけるなど工夫しています。
    1個あたりたかが数百円の利益ですが、タカラヅカの親会社は1枚百数十円の電車の切符を売って商売している電鉄会社です。そしてタカラヅカのチケットはあの舞台の豪華さに対してとても安い(B席などわずか3,500円です)。顧客単価の数百円アップは大きいのです。
    もちろん会社も「踊りたくない人たち」の存在は考慮していると思われます。客席参加はショーの中のワンシーンに限られていますし、スカイステージのレッスンでも「周囲のお客様の迷惑にならないように」と、具体例を挙げながらくどいほど念押ししています。
    私個人は「客席参加」には参加しませんが、現状程度ならまあいいかな、と思っています。楽しんでいる方がいるのは事実ですし、タカラヅカには売上を・ひいては利益をアップして頂きたいですし、その利益アップ分が団員の福利厚生や舞台の向上に使われたらいいな、と思うからです。
    最近「私設ファンクラブに降りてくるチケット枚数が減った」という声をよく聞きます。劇団が団体営業を頑張って取ってくるので、今までのように生徒個人の私設ファンクラブに廻ってこなくなった、というのです(それは反面生徒のチケットノルマが減ることでもあります)。
    現理事長になってから、タカラヅカはいろいろな面で構造改革を行っているようです。経営の安定と明朗化ーー客席参加(による売上増)も、おそらくその一環なのではないでしょうか。
    長文コメント失礼いたしました。

  2. zukamen より:

    にゃん魚さん、こんばんは。
    詳しく教えていただいてありがとうございます。
    なるほど、売上アップという陰のビジネスがあったのですね…。
    劇団の団体営業がどれほど増えたのかわかりませんが、前以上にチケット争奪戦が繰り広げられているようで、外から「宝塚を一度観てみたいな」と思うひとたちには全く手に入らないように作られているようで、ビックリしています。以前は外国からの観客用にぴあの英語版からS席が手に入る日もありましたが、最近の公演ではたぶん英語のできるファンが目をつけたのか、ほとんどの公演日にバツがつくようになってしまいました。
    宝塚には新規の顧客開拓は必要ないのかなあ、と不思議に思いました。

  3. Yasu より:

    Zukamen さま
    今、東京公演中の新生雪組は、ポンポンをふっての踊りです。BSで中継されましたが、多くの方が購入されていました。これからもこういう演出が増えるのでしょうか。
    チケットは、東京は存じませんが、宝塚は当日券狙いで並ぶと、S席の前列が購入できます。キャンセル券売も若干あります。
    ただ、東京は、チケットが本当に取れないようです。
    宝塚は、シビアなのか、退団公演でも作品次第では、空席が目立つのもあります。
    私は、宝塚大劇場しか知りませんが、宝塚は駅に降りた時から歌劇の町で、花の道から大劇場に向かう時から夢が広がっていきます。
    東京ではなく、この宝塚だから、この温泉町だから100年以上の歴史が刻まれたんだと実感します。
    いつか是非、本拠地宝塚大劇場でご観劇下さい。、

  4. zukamen より:

    Yasuさん、こんばんは。
    その東京公演を今日(いやもう昨日ですが)観てきましたので、まずは歴史ミュージカル「ひかりふる路」について感想を書きました。ポンポンについては…次の記事で書きます。
    宝塚大劇場には一度行ってみたいですねえ。
    いずれ退職してからは気ままに観劇するようになりたいと思っています。