エリザベート25周年ガラ・コンサートに北翔海莉がフランツ・ヨーゼフとして出演するというので、またDVDを取り出しました。
考えてみたら、これですでに3回ぐらい観ています。すでにずいぶん前に日本でDVDとして購入してきた花組「エリザベート」公演ですが、僕が一番最初に観た「エリザベート」も実はこの公演DVDでした。
トート以前の明日海りお
北翔海莉のバイプレーヤーとしての名演が聞こえていましたので、どちらかというと僕はそのために買ったようなものです。
初演1996年当時はすでに宝塚観劇からは離れていましたので、その後映像では初演を観たとは言え、「ベルサイユのばら」以降の「エリザベート」の大成功についてはあまりよく知りませんでした。
そして、明日海りおの大劇場トップお披露目公演だったということも。
明日海りおと北翔海莉というと、僕はどうも2004年「薔薇の封印」新人公演を思い出してしまいます。僕はこれも映像でしか観ていませんが、まわりが新人らしく声が裏返ってしまったり、動きもぎこちないというのに、北翔海莉だけは貫禄さえ見せてその歌の巧さにもビックリしました。
以前、そのことに関しても記事にしています。
そのときの明日海りおは研2。まだ女の子のようで、歌も今からは想像もできないくらいヘタクソでした。そして、今回は主役、それも大作「エリザベート」の主役トートです。
トートとしての明日海りお
第一幕の初めから、この世のものとは思えない美しさがありました…が無表情。
歌は昔に比べたら雲泥の差で、もちろん非常に上手くなっていました。それでも、初演の一路真輝の会場を圧する声量と、麻路さきのぞっとする白塗りの妖しい存在感に勝るとは言えませんでした。
元々ミュージカル「エリザベート」の「トート」はオリジナルのウィーン版では脇役です。
そして、宝塚版の「エリザベート」では、もちろん男役トップスターのためにかなり潤色され、トートが主役になっています。この主役が会場に圧力さえ与えるような暗い黄泉の帝王としてのスター性が、明日海りおの場合、ひとつひとつの写真のように切り取られた「美」としてしか、僕には感じられなかったのです。それが、少々残念でした。
だからと言って、蘭乃はなのエリザベートがトート以上に輝いていたとは思えませんが、それはまた別の記事で書くことにします。
トート以後の明日海りお
明日海りおと言えば、僕は「ミー・アンド・マイガール」と「金色の砂漠」を劇場で観劇しています。
このときの明日海りおの印象は、「エリザベート」のときよりはるかにリラックスして、スターとしての貫禄を備えていました。何年も大変な努力とストレスがあったことでしょうが、それでも「エリザベート」に比べると、小柄な彼女が大きく見えるほど会場に明日海りおが溢れていて、僕はその舞台にいたく感激したのを覚えています。
人外の「黄泉の帝王」ではなく、生身の「男」を演じられたことも、彼女の役作りに光を与えたのではないでしょうか。
そして、彼女の大劇場トップお披露目だった「エリザベート」では、明日海りおへのトップスターとしての重圧も考慮にいれなければならないとしても、主役ふたりを見事に食ってしまうほどの実力を見せたのはやはり北翔海莉だったような気がします。
長くなってしまったので、次の記事では「エリザベート」のフランツ・ヨーゼフ役北翔海莉について書いてみたいと思います。
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