2022年6月帝劇「ガイズ&ドールズ」に望海風斗と明日海りおが出演

退団後のジェンヌたち
画像出典: https://www.grand-arts.com/
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一足も二足も遅いニュースですが、2022年に帝劇で「ガイズ&ドールズ」を上演するそうですね。それも、望海風斗のアデレイドと明日海りおのサラという同期のスターが共演ということで、ワクワクします。

 

望海風斗の来年の活躍に向けて

来年は『INTO THE WOODS』の魔女役、『NEXT TO NORMAL』の双極性障害の母親役、そしてこの『ガイズ&ドールズ』のコケティッシュなアデレイド役という難しい大役が続きます。退団直後のガラ・コンサートでのトート役はマイクを持った宝塚OGのみで構成される「コンサート」で、言わば「エリザベート」を知っている宝塚ファンが対象だと僕は思っていますが、上記のミュージカルは全く違います。

外の舞台で活躍している宝塚OGとしては朝夏まなとが挙げられます。彼女は男役とは完全に切り離された役柄が続き、確固としたミュージカル舞台女優としての地位を築き上げようとしています。望海風斗が目指しているのはこれではないかと思いました。そして、だからこそ様々な大役に挑んでいるのでしょう。

どの役も全く違ったアプローチが要求されます。歌には定評がある望海風斗ですが、それだけではない芝居心を女性として見せなければなりません。才能と努力のひと、望海風斗がどのようにそれらを料理してくれるのか興味深いです。

 

望海風斗はアデレイドをどのように演じるのか

これは衝撃でした。いい意味で。

 

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アデレイドと言ったら、あのコケティッシュでお色気たっぷりの歌手・ダンサー役です。過去には初演の条はるき(歌はもう最高に上手いのですが、少々無表情が気になる生徒さんでした)、そして2002年月組の霧矢大夢にこの役に配されていましたが、僕は2015年星組「ガイズ&ドールズ」の礼真琴のアデレイドちゃんに軍配をあげたいと思います。

「アデレイドちゃん」と「ちゃん」づけにどうしてもなってしまうのは、彼女のアデレイドがあまりにも愛らしく、そして礼真琴が心から楽しんでこの役を演じているのがわかるからです。現在のキザな男役と魅力的な低音しか知らない方にはぜひ観ていただきたい公演でした。

2015年星組「ガイズ&ドールズ」ー礼真琴の愛らしさと美城れんの確かな芸
礼真琴は、僕はたぶん「黒豹の如く」のときに見ているのでしょうが、気づきませんでした。だから、男役だということは知っていましたが、アデレイドとして出てきたときにはビックリしました。 まず、愛らしい。14年も婚約したまま待たせられ、どう考えても...

残念ながら現在では廃盤になっているようですが、楽天には少々中古DVDが出回っています。

さて、この役を望海風斗がどう演じるのか…興味津々です。
霧矢大夢のような大人の色気(つまり30代にはなっているアデレイドの年齢相応の色気)になるのか、それとも礼真琴のような愛らしさ満載で舞台中に微笑みを振りまくアデレイドになるのか。

望海風斗と言えば、僕にとっては眼に狂気を宿らせることにできる稀有な男役という印象がありました。2014年「エリザベート」のルキーニがまさにそうですね。
こういう演技を見せられる男役が、一転してお色気たっぷりの「女性」を演じるところに退団後舞台の醍醐味があります。男役臭を消した自然な演技と歌で、どのように外の観客の鼻の下をのばすことができるか、さあ、お手並み拝見というところでしょうか。ワクワクします。

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明日海りおの宗教心の強いサラがどう変わっていくか

財団時から妖精のようなイメージのあった明日海りおですから、退団後には美しい女性姿で様々なメディアに登場するようになりました。望海風斗より先に退団していましたから、外の舞台もすでに経験しています。舞台では「ポーの一族」から始まり「マドモアゼル モーツァルト」と、少しずつ外の世界に向かって中性的な魅力を発揮しています。

今回のサラ役は、それらとは違って完全な女性役。最初は純粋に宗教に捧げる強い雰囲気を持っていますが、それがスカイによって徐々に変化していきます。メディアに登場する普段の彼女はとても優しげな雰囲気ですので、望海風斗のアデレイド同様、彼女のサラにもとても興味があります。

ただし、問題は歌。「エリザベート」ガラ・コンサートでは初めてのエリザベート役ということでかなり期待していましたが、高音に無理があり、音程も不安定さが露呈しました。

彼女がまだ下級生のころの歌を聴いて、椅子から崩れ落ちそうになったことがありますが、その後の歌唱力はスターとしての貫禄と伸びやかな歌声となっていてビックリしました。やはり舞台の中央に立って観客を魅了するのは、努力のうえに獲得する実力なのだなと思ったものです。
今後の精進に期待したいと思います。彼女の宝塚でつちかった存在感をぜひ外の舞台でも見せてほしいので。

 

演出のマイケル・アーデンについて

最後になりましたが、演出のマイケル・アーデンについて一言。
日本ではあまり知られていませんが、アメリカではミュージカル俳優、TV俳優、そして演出家として有名です。

2016年には「Spring Awakening」というブロードウェイ・ミュージカルの演出で、トニー賞を受賞しています。主役を手話と会話という鏡を介したふたりに配して、その斬新な解釈と演出に評価が高まりました。
その後は演出力が認められて、「マイ・フェア・レディー」などの舞台演出が増えてきています。

その彼が「ガイズ&ドールズ」を演出するということで、宝塚とは全く違う雰囲気になるのではないでしょうか。これも気になるところです。

いずれにしろ、僕には観られないような気がして寂しい限りです。版権により、Blu-rayが発売されるかもわかりませんし。残念。
せめてネットでニュースは追いたいと思っています。

 

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