ひとつひとつの公演で丸々一個記事にできるぐらいダラダラと書いてしまい、自分の節操の無さに少々ガックリ来ているところです。これじゃ箱根駅伝より長い長距離バトンですな。
お暇な方はもう少しお付き合いください。
7)お気に入りのショーを好きなだけ挙げて下さい
先の質問の「好きな芝居」に答えていて、よく考えたら「ブリガドーン」も「ノバ・ボサ・ノバ」も「ミー・アンド・マイガール」も「メリー・ウィドウ」も、僕がまた観ていない「ガイズ・アンド・ドールズ」(でもDVDは絶対買おうと決めました)も全部ミュージカルなんですよね。つまり、芝居というより歌劇です。
僕は宝塚以外にもこのミュージカルというヤツが好きで、有名ドコロはほとんど観劇しました。去年は「WICKED」と「LION KING」、そして今年4月には「CATS」もまた観るつもりです。
それでももちろん好きなレビューはいくつかあります。宝塚にはどんなに悲恋で最後に身悶えしながら涙を流しても、レビューというもので気分をさっと転換させられてしまうのです。幕間に涙を拭いたら、さあ華麗にレビューです。歌を覚えているくらいのレビューですから、もちろん古いところから。
1978年星組「セ・マニフィーク」
鳳蘭のレビューとしてはかなり有名だと思います。僕がナマで見たレビューの中で(覚えているものとしては)1番古いと言えます。プロローグでも歌われている主題歌「セ・マニフィーク」はもう鳳蘭以外歌えるひとのいないほど「彼女の歌」になってしまっています。100周年のOG公演でも歌っていましたね。
怪盗ルパンの寸劇ではツレちゃんの早変わりとユーモアのセンスが垣間見られ、楽しいです。そして、彼女の脚線美も。昔は男役が足も腕も露出した姿で登場する「女装」も多かったような気がします。「セ・マニフィーク」は完全に鳳蘭のワンマンショーというべきものですが、それだけ彼女の歌唱力と迫力、そして会場の観客を惹きつけてやまない色気と華やかな魅力が全開されたショーでした。
「黄色い月」という曲では、銀橋の鳳蘭に「日本一〜!」という大向うが飛んで、彼女もビックリした様子が映しだされています。観客からも思わず笑いが。何度も書きましたが、最近は「大向う」がかからないんですね。これは禁止されているのかな…。ただし、「大向う」というのは歌舞伎と同じで一定の法則があり、いつでも飛ばしていいものでもなく、その「間」のわからないひとがやたらに試しても困るということでしょうか。この動画でもあまりにも飛ばし続けるひとに、鳳蘭が「やかましい!」との一言。そこでもちろんまた大爆笑を誘っていましたが。
余談ですが、「大向う」では50年以上前からある真帆志ぶき専用「ス〜タ〜ン!」ですが、これは一体だれが飛ばしているのでしょう…実にいいタイミングのよく通る声、まさに「大向う」のお手本のような声なのでいつも感心してしまいます。
それから、但馬久美はあの当時ダンサーとしてかなり名を上げていましたが、一応二番手だったのかなあ。よくわかりません。退団後どうなさっていたのか興味が湧いたので、調べてみました。なんと参議院議員をつとめていらしたのですね。扇千景といい、松あきらといい、この但馬久美といい、宝塚OGってスゴイですね。
で、元に戻って「セ・マニフィーク」の但馬久美ですが、僕が覚えていないことがありました。フィナーレのカン・カン場面で、彼女はあの細い銀橋を大きくジャンプをしながら渡っているのです。これにはビックリしました。昭和の昔に比べると現在の宝塚のダンスのレベルが格段に上がっているというブログ記事を読みましたが、今ではあれが簡単にできる生徒さんってそんなに沢山いるのでしょうか。
1984年月組「ザ・レビューII」
宝塚70周年のレビューです。大地真央と黒木瞳のコンビに、剣幸の二番手。いや、実を言うと僕はこのレビューが好きで好きで好きで何度も東京宝塚劇場に通い、ビデオを擦り切れるまで見ましたので、もう細部まで覚えているし歌もほとんど全部歌えます(が、音痴です)。
レビューには珍しく2つのストーリー(カトリーヌ、レディー・サラ)を縫って有名な曲がワンサカ流れます。大地真央と黒木瞳のコンビは歌がヘタクソと言われたトップですが、それでも今聴くとそのふたりも含めて皆歌が上手ですね。
若手注目株として涼風真世も登場します。ただし、このころ僕はまだ涼風真世にあまり気づいていなかったようです。それほど、きらびやかなレビューそのものに僕は酔っていました。
剣幸のさわやかな笑顔にほうとため息をつき、黒木瞳の愛らしさと美貌にため息をつき、条はるきの妖艶な姿とあまりに上手い歌にため息をつき、そしてもちろん大地真央の観客が目をそらすことのできないほどの存在感にため息をつきました。妹に言わせると、そのころの僕はビデオを観ながらいつもため息をついていたそうですから重症です。
「ベルサイユのばら」以降、宝塚の舞台はもうこれでもかというほどの明るさと色の氾濫、金銀が舞い踊る衣装と装置でヴィジュアルが格段に豪華になりました。それが全てにおいて進歩であるかというと、必ずしも…と言いたくなりますが、そのことについてはまたの機会に。
1990年月組「ル・ポワゾン」
剣幸とこだま愛の退団公演でした。
これと抱き合わせで上演されたのが「川霧の橋」。山本周五郎原作の人情モノで、これもとてもいい話でした。そしてその後の「ル・ポワゾン」でいきなり目がチカチカするほどの鮮やかな舞台です。
「シエスタの庭」のシエスタさんは、「ミー・アンド・マイガール」と「ベルサイユのばら」で涼風真世と恋に落ちたそうですが、僕はこの冒頭の歌の低音の美しさと彼女の無表情の対比にガツンとやられました。なんて素敵なひとなのだろう、と。(ちなみになぜ僕は涼風真世のオスカルを観ていないのだろうと調べてみたら、その公演の東京のオスカルは紫苑ゆうだけだったようです。当時東京宝塚劇場は出し物がはるかに少なかったのです。)
この涼風真世の後に出てくるのがあの世にも有名な「るぽわぞ〜ん、るぽわぞ〜ん、あいのあいのびやく〜♪」です。音痴の僕だって一応歌えます。剣幸とこだま愛のデュエットでした。
こだま愛は、とても愛らしく可憐な少女かと思えば妖艶なファム・ファタールもできるというものすごく貴重な娘役でした。この「ル・ポワゾン」でも、そういう妖艶なダンスを見せてくれています。今は誰なのかなあ。
このショーでは、巷のかなり知られた曲が挿入されていて、美しいクラシックがあるかと思えば、クィーンの曲が出たり、短いストーリーがあって、とても楽しかったです。若い若央りさがダンスに加わっていたり、2番手として涼風真世、その下に久世星佳と天海祐希がいて、その後の活躍を期待させました。
剣幸は歌の迫力に加えてその笑顔がとても爽やかで、先日動画サイトでミー・アンド・マイガールの花組再演と「宝塚歌劇の殿堂」入りを見ましたが、きれいな笑顔も雰囲気もあまり変わらず懐かしく拝見しました。
1991年花組「ザ・フラッシュ!」
この公演に関しては、すでに「1991年花組『ザ・フラッシュ!』で大浦みずきを懐かしむ」というブログ記事にしましたので、そちらの記事をご参照ください。
実際のところ、僕がここに書いた公演に関しては、誰でもが口ずさめるような歌、そして宝塚OGたちがいまも歌う歌が沢山あります。しかし、こんなふうに僕のような音痴でも後で鼻歌まじりで楽しめるほどの名曲が、今は少なくなってきているような気がするのですが。僕が観た今年のショーは、ディズニーと懐かしの宝塚のコラボだったので、こちらはもちろん口ずさめる曲ばかりなのですが、最近の他の公演はどうなのかなとふと思いました。
ということで、実はまだ沢山ショーに関して書きたいことがあるのですが、これ以上調子に乗るとちっとも「バトン」じゃなくなってしまいそうなので、「お気に入りのショー」はここでオシマイにしておきます。また後日記事にするかもしれません。
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コメント
涼風真世様を拝見すると、今も胸がドキーン♡とします。
大劇場では、改札外の通路に何箇所か大型ビジョンが設置されています。
大型といっても家庭用大型テレビサイズですから、離れていたら何が映っているのか、よく分かりません。
…ですが、そこに涼風さんが映った瞬間、目の端で捉え、連れを放置してビジョン前に張り付いた私がいました。
恋の力は健在でした。
……そして、今頃ようやく気付いたのですが、ジャッキーもオスカル様も女性(役)なんですよね。
私は、女性を演じる涼風さんに惚れてたんですね。
PUCKとかもハマり役でしたが、目がハートになる感じとはちょっと違いましたし。
涼風さんは見た目こそ中性的でフェアリーでしたが、豊かな低音が響く声と、卓越した歌唱力の持ち主でした。
大地真央さんと黒木瞳さんの舞台も拝見したかったです。
ちょっと間に合いませんでした。
シエスタさん、
涼風真世は僕にとって不思議な男役なんです。美しい妖精のような顔、男役としてのキザな振る舞い、よく通る低音の魅力、男役も女役もできるひとで無表情なのに色気があります。
今では「昔妖精、今妖怪」というキャッチフレーズを自ら使っているようですが、それでもまだまだ若々しく素敵ですよね。近年でも歌っている動画などをいくつか拝見しましたが、もうあのゾクゾクするような低音は全く使わないのですね…ちょっと残念です。