鳳月杏のディナーショー前売りは、始まってからあっと言う間に売り切れました。あとは当日券のみということです。(…って一体何枚当日券というものがあるのでしょうか)
その後2日前に出た宝塚ホテルの受付方法変更では、今回初めて「本人確認」が始まったそうです。
この受付方法変更について各所で喝采が叫ばれています。高額転売を無くすための方法の1つとしては効果があるからです。
たぶんこうした処置を取らざるをえなかったのは、美弥るりかのディナーショーの高額転売があまりに酷いからでしょう。
大手のふたつの転売サイトでは3月14日現在こんなふうでした。
これを見て僕はびっくりしましたが、確か北翔海莉がいたころの星組「One Voice」でも同じような非常識な高額チケットが出回りましたね。
実はネット社会には自動で前売り当日に数秒ごとに複数回電話をかけ続けられるアプリがあって、このせいで「普通に電話を使ってかけるひとたち」には全く繋がる見込みがないらしいのです。
僕は以前その「高額転売」に関して、オーストラリアの法律と比較して記事を書いたことがあります。
友の会が100名以上の会員を削除したことに関して、オーストラリアの法律がどうなっているかを紹介したのです。
劇場入口でチケットの本人確認をして「チケットを購入したひとを罰する」わけではなく、法律によって「それ以前の防止策」を施行したわけです。要するに、合法的な転売・再販チケットを市場に提供させる法律なのです。詳しくは先の記事を参照してください。
例えば、あなたが正規のチケット購入をしたとして、もし当日か前日にインフルエンザになったらどうしますか。高熱を発しながらそれでも高額のチケット(27500円のディナーチケットは公演に比べたら高価です)の「本人確認」のせいで、ひとに移すかもしれないインフルエンザをおしてディナーショーに出かけますか?
また、もしあなたの近いひとが亡くなった場合、どうしてもその当日にあなたを必要とする家族があった場合、それを無視してディナーショーに出かけますか?
そして、あなたが「行けなかった場合」の席は一体どうなるのでしょう。そのまま空席ですか?
「本人確認」はその場しのぎの解決法に過ぎないのです。正規の方法を経て買ったあとに起こる不慮の事態に対処していないからです。宝塚ホテルのディナーショー受付変更を見る限り、「本人でなければ入場できない」ことしかわかりません。つまり、大いなる片手落ちです。
高額転売のチケットを買ったひとを罰するより、その根源である「チケットを高額転売するひと」を罰しなければ焼け石に水なのに、それについては一切関知していないのです。
僕は高額転売に関しては、吐気がするほど怒りを感じています。宝塚歌劇を本当に愛するファン、そして宝塚スターのショーを一目見たいと思って節約してひとときの夢を買うひとたちにとって、それは冒涜でしかないからです。
そして、宝塚のみならず他のショーに関してもそれは同じことです。何千人も収容するスタジアムを借り切ったコンサートで、一体どのようにして「本人確認」を行うのでしょう。
これはひとつの劇団の問題ではなく、日本国中で行われている舞台・コンサートについて「法律」を作るべき時なのだと思います。
【追記】
ものは試しともう一度チケット流通センターに行ってみました。鳳月杏で検索した3月16日の結果です。
第一ホテル東京は宝塚ホテルと違い「本人確認」をしないとみえて、結局は依然として高価なチケット転売となっているようです。
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