先日ここで2006年宙組公演「Never Say Goodbye」について書きました。和央ようかの退団公演のことです。
92期生が初舞台を踏んだのもこの公演でした。
溌剌とした初々しいロケットを見ていると「ん?なんだか知った顔が…」と思い、巻き戻してみたら(すみません、この表現は死語ですね…今はDVDなので巻き戻さずに「戻す」だけです)、背が高くて特徴のある細長い顔は見間違うわけがありません。真風涼帆です。
このロケットは背の高い生徒さんをセンターに配置しているので、真風涼帆はまさにど真ん中なのでした。舞台映えのする顔立ちですし、抜きん出て背が高いのでとても目立ちます。たぶんもうこのころから目をつけていたファンもいるのではないでしょうか。
何人か置いて左端のほうには天真みちるも見えます。もう楽しくてたまらないかのように満面の笑みをたたえて踊っていて、微笑ましかったです。(もうひとり、写真では真ん中にいるのは鳳月杏かな…自信がありません)
スキップしてしまった初舞台生口上に戻ってみると、緑の袴姿の真風涼帆が今度は背の順で下手(客席から見て左側)に立っていました。右端には天真みちるも見えます。
…ということは、と反対側の上手を見たらやはりいました。今度は鳳月杏と彩凪翔です。お化粧が今と少々違っているので(つまり初舞台生は例外なくヘタクソだということですが)見つけても自信がありませんが、たぶん彼女らでしょう。
初舞台は2006年の3月ですから、ほとんど13年前の姿なのですね。
男役10年と言われますが、なるほどこのころは初々しい少女から若い女性に変身する時期で、まだ男役としての歩き方さえままならないヒヨッコだったことと思います。
13年経ってみれば、すでに退団している生徒さんも退団したばかりの生徒さん(=天真みちる)もいるわけで、残っている男役たちの中でスターとしての華やかなオーラを放っているのがこの真風涼帆、鳳月杏、そして彩凪翔です。ヒヨッコから男役スターへ。
時の流れを感じさせますが、これがまた「宝塚ファン」または「ご贔屓ファン」としての宝塚の醍醐味なのでしょう。自分の贔屓の生徒さんが段々と成長していく姿を見る楽しみがあるからです。
僕は宝塚のみならずミュージカルやストレートプレイなどの「舞台」のファンですが、海外でのミュージカルはゲストとしてセンターに立つ有名俳優以外は、そのほとんどがオーディションでキャスト決定されます。そして外国からもオーディションに来る俳優たちがいますから、その国籍たるや千差万別です。
それだけに僕がどんなにミュージカルを観ていても、そのキャストの名前まではとても覚えきれるものではありません。感想と批評が書けるのは、そのキャストたちの「その場での」演技、歌、ダンスに関してのみです。
宝塚の場合は、同じ公演を何度も観て、ほとんどの生徒さんの名前、ご贔屓の生徒さんの場所と役、アドリブの違いまで熟知しているファンも沢山いることと思います。そして、僕が先に書いたように「特定の生徒の成長」を観るひとたちも。
楽しみ方の違いという点で、宝塚はやはり面白いのです。
僕はまだまだ宝塚シロウトでわからないことや知らないことも沢山ありますが、1万キロ離れた国から時々僕自身の様々な感想を書いていきたいと思っています。
にほんブログ村ランキングに参加中。クリックしていただけると嬉しいです。
コメント
こんにちは。おひさしぶりです。
「成長を楽しむ」という楽しみ方は、日本の伝統芸能にわりと共通しているのではないでしょうか。タカラヅカも105周年のりっぱな伝統芸能(郷土芸能?)ですし。
歌舞伎では御曹司は3歳4歳の初舞台なんてざらで、それからずうーーっと、場合によってはその役者の終生の芸を見届けることになります。そうやって見ていくうちに一門の役者さんたちの顔も覚えてしまう。文楽の太夫、三味線なんかもそう。将来伸びそうな若手をみつけて、上手くなった、成長が止まった……と一喜一憂するのも楽しみのひとつです。
伝統芸能とタカラヅカの違いは、前者は一生、後者は卒業で一区切り、というところでしょうか。とはいえ伝統芸能から入った私などは、ヅカでもついOGを追いかけたくなります。<ずうーーっと見る>というのが習い性になっているのかもしれません(笑)
にゃん魚さん、こんばんは。お久しぶりです。
なるほど、歌舞伎などもそう言えばずっとご贔屓がついていますね。
宝塚の「卒業」が一区切りというのはわかるような気がします。あの華やかな世界で男役トップを極めたひとたちが、卒業して髪を伸ばしスカートを履き「女性」に戻っていくのを見守り続けたいというファンもいれば、また新たに別の素敵なひとを見つけてファンになるひともいるでしょう。辞めたとたんに情報がガクンと減りますから、ファンクラブに入っていない限り熱を保ち続けるのは難しいですが…。