2016年星組「桜華に舞え」で北翔海莉の中村半次郎に再び会う

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DVDで「桜華に舞え」をもう一度観ました。
買ったばかりのころ一度観てはいましたが、北翔海莉退団後の空気がまだ色濃く残っていたのでとても書く気になれませんでした。

スカイステージでまた放映されたと風の便りに聞き、何となくもう一度観たくなったのです。

 

もちろん、鹿児島弁の聴き取りが難しかった

最初に観たときもそうでしたが、僕にとってはまず鹿児島弁が難しく、こればかりは滑舌のいい北翔海莉の言葉でさえ時々理解できませんでした。ある程度ストーリーはわかっていても、何を言っているのかわからないというのは少々残念です。

何度も観ていればそれなりにわかるのでしょうが、何しろ初見では難しい。本当に字幕がほしかったくらいです。歌の歌詞のほうがわかりやすかったというのは初めてでした。

公式サイトにはこうした僕のような「かごんま弁」初心者のために、プチ講座が設けられていました。

桐野利秋の生きた時代 | 星組公演 『桜華に舞え』『ロマンス!!(Romance)』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
星組公演 『桜華に舞え』『ロマンス!!(Romance)』の桐野利秋の生きた時代をご紹介します。

即席講座でほんの少しの知識はいただきましたが、それでもそうした言葉が散りばめられた会話となると、うーん、やっぱり緊張して聞いていても難しいです。何より、そうした言葉の聴き取りに気を取られて物語に集中できないときがあり、それが少々不満でもありました。

昔々、一度旅行で鹿児島に行ったことがありますが、小耳に挟んだ高齢の方たちの会話はそれこそ外国語のようで、僕にはほとんど理解できなかったのを思い出しました。

 

中村半次郎という人物

「人斬り半次郎」という異名をもつ西南戦争の立役者であり、最後まで西郷隆盛に付き従った男…というぐらいの知識しか僕にはありませんでした。

薬丸自顕流の名手ということは今回初めて知りました。
が、半次郎自身は鹿児島にいたころ道場に通っていましたが、あとはほぼ独学で習得したというのが今では定説です。つまり自己流であそこまで名手と言われるのは、半次郎の刀の腕が相当なものであったという証しなのです。

面白いのは、河上彦斎、岡田以蔵、田中新兵衛とともに「四大人斬り」として恐れられていたにもかかわらず、記録に残っているのは薩摩藩の軍事学者・赤松小三郎の斬殺のみです。それも、西郷隆盛には「やめろ」と言われていたにもかかわらず、抜いた刀は斬らない限り鞘には戻らないの言葉どおり決行しましたが、後には「切ったことを後悔している」と言っていたらしいとのことです。

 

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大谷吹優は実在人物ではなかったが…

妃海風の演じた大谷吹優はフィクションですが、どうも彼が京都にいたときの恋人村上さとをベースにしているようですね。一緒に撮った写真も残っています。

村上さとは明治時代になってから中村半次郎のふるさと鹿児島を訪ね、そこで初めて彼が結婚していたことを知って愕然としたと言われています。

 

骨太のストーリー、駆け足の舞台

当時のブログ記事などを読みますと、骨太で男性的な西南戦争の話ということで、かなり男性客が増えたと書いてありました。確かに僕も男の友情、そして西郷隆盛という主を得て最後まで「義」を尽くすという、もう感動の嵐に身を任せることができて、確かにこれなら宝塚を観たことのなかった男性をも惹きつけるだろうなと思った次第です。セリフにも感動するものが多く、僕などはやはり最後には涙してしまいましたから。

ただし、それと同時にあの華やかで夢があり、華麗な恋愛をみせるミュージカルとしての余韻は残念ながらありませんでした。北翔海莉と妃海風のほんわかとした恋もほんの少し登場しましたが、ヒサとの結婚も曖昧でしたし、どうも「男の友情と義」が中心となっていてあまり「宝塚的」ではありませんでした。

また、宝塚公演オリジナルの常と言ってもいいと思いますが、なるべく皆に見せ場をつくろうという苦労が現れています。そのために短いセリフをつけた役が沢山あり、あのひとがあそこで何か言うのは本当に必要だったのか、そのひとは何のためにそこにいるのか、という疑問がところどころにありました。

例えば麻央侑希の演じる犬養毅ですが(声がとても若くて彼が80歳近いときの暗殺に少々違和感がありましたが…)撃たれてからがイヤに長く、もしかしたらアンドレのように歌い始めてしまうのか!とハラハラしましたが、そんなこともなくセリで舞台から去っていきました。また最後のほうでほんの少し現れますが、このときも「ありゃりゃ、暗殺されたんじゃなかったんですか?」という疑問が…。この犬養毅の最初と最後の場面は少々とってつけたようで、正直に言って要らないのではないかと思いました。

いずれにせよ、場所がアッチに行ったりコッチに来たり、時代が遡ったかと思うと今度はまた戻ってきたりと忙しいことこの上なく、ストーリーを追うのにも必死でした…というより、追っていませんでした。なぜなら、僕は北翔海莉と美城れんと礼真琴の演技と歌に酔っていたからです。

次記事ではそのことについて書こうと思います。

 

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