去年好評だった舞台「海の上のピアニスト」の再演が始まっています。
すでに11月2日の京都公演、11月5日6日の博多公演を経て、11月13日から15日まで東京北千住の天空劇場で東京公演になります。
上演が決まったときにひとつ記事にしていますが、あのときは東京公演は12月と言われていましたね。しかし、1年ですでに再演となるということは公演自体が好意的に受け取られたとみてよいのでしょうか。

メディアが無視する舞台の評価、または批評
日本の芝居に関しては、出演者のインタビューもあちこちで行われ、新聞にも記事が載り、ゲネプロの様子も映像であっぷされ、いやがおうにも前評判が高くなり…そして、芝居が始まると、メディアの興味は失せるものなのか、ぴたりと報道がとまります。
かろうじてTwitterでチケットを買って観客となったひとの感想をちらほら見かけるぐらいで、メディアは沈黙したままです。今回の「海の上のピアニスト」は3箇所で上演されているのですから、その間に記事が出てもよさそうなものですが、これが日本の演劇界の特徴なのかもしれません。
余談ですが、数年前に宝塚OGたちのCHICAGOがニューヨークで上演されたことがあります。そのときには、僕はその前にすでにKAATでそのCHICAGOを観ていましたから、とても興味があり英語でメディアを漁ってみました。

公演が始まってからどんどんと劇評が新聞にのぼり、現地のひとたちにどのように受け取られたか、また劇評論家たちがどのように観たかということが、かなり詳しく書かれていました。褒めるときは手放しで褒め、けなすときには完膚なきまでにけなす。そして、だからこそ皆劇評を興味深く読むのですが、残念ながら日本の演劇界にはそうしたメディアの気概がないような気がします。褒めるだけですからね。
僕は宝塚の1ファンで、批評家ではありません。ですから、感想は述べますが批評はしません。
そして、「批評」というのは「批判」に含まれるものですが、「批判」はその批評をした上で善悪の「判断」してしまうことを意味します。
「批評」は「判断」のひとつの要素として含まれるだけです。つまり、「批評」とは、よい部分を褒めて悪い部分をけなすという、いわば「評価」を与える意味になるのです。宝塚ファンの中にもここの部分が理解できていないひとがいて、「XXさんの舞台が批判された!」といわれた記事を見に行くと、そうではないことがままあります。
評価・批評の場合、俳優と製作・演出に至るまでその舞台に関わった全員がそれを甘んじて受けることになります。そして、それを次の機会に活かす。改善と向上です。そんな機会を演劇界に与えてほしいと思っています。
さて、僕は北翔海莉の演じるノヴェチェントが一体どのような「評価」を受けているのか、全くネットからはわかりません。かろうじてその演目が再演となったことで「たぶん」好意的なのだろうと想像しているだけです。かなり厳しい批評を受けることもあれば、称賛の大盤振る舞いを受けることもあるアメリカやオーストラリアの演劇界を見ているので、またもやちょっと不思議になりました。
特に生の舞台が観られないとなると、評価・批評だけでも読みたいなと思う今日このごろです。
「海の上のピアニスト」に関するちょっとしたニュース
「海の上のピアニスト」に関しては、東京公演では中村匡宏が喜多村緑郎に変わるWキャストということで、両方観たひとだけがその違いを確認できるので、誰か頼むからなにか書いてくれないかなあと切に願っています。
こちらはその紹介動画です。
そして、ここでは沢山稽古風景の写真が見られます。北翔海莉が「男でもない女でもないノヴェチェント」を演じるとあって、どんな舞台になっているのか大変興味があります。

春秋座にてゲネプロ拝見
大号泣😭泣きすぎで目が腫れちゃった💦
13日から参加しまーす!
#海の上のピアニスト #春秋座 #天空劇場 #北翔海莉 #中村匡宏 #大井健 pic.twitter.com/pFVtakYP5J— 喜多村緑郎 (@1969Tuki) November 1, 2019
「海の上のピアニスト」
東京公演 アフタートーク開催決定!
11月13日19時、14日19時の回
登壇:北翔海莉、喜多村緑郎、大井健、中村匡宏
あわせてお楽しみ頂きますようご案内申し上げます。#海の上のピアニスト— アーティストジャパン (@aj_information) November 7, 2019
アーティストジャパンは、東京公演にアフタートークがつくという決定をツイートしています。出演者全員が登壇するようで、楽しみですね。
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