2018年宙組「ハッスルメイツ」は和希そらのワンマンショーだった

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「ハッスルメイツ」は過去の観たい公演のひとつとしてメモしていました。
和希そら主演ということで、彼女と宙組の新進生徒さんたちの活躍を観てみたかったのです。

 

それまでの和希そらの印象

和希そらというと、2013年の朝夏まなと「Brilliant Dreams +NEXT」という番組で初めて知りました。もっとも、朝夏まなとを知ったのもこれでした。つまり僕の宝塚観劇再開の発端となったのが2016年に知ったこの番組なのです。

「朝夏まなと」を知ったBrilliant Dreamsのオリジナルダンス
「はじめまして」の記事で書いた「ひょんなことから」ですが、実は小さな動画を偶然見つけたのが始まりでした。 全く違うジャンルのものを観ていたのですが、隣のメニューにある「宙組」の文字が目につきクリックしたら、なんとまあずいぶんと昔の宝塚と違う...

和希そらは長身の男役の多い宙組ではかなり小さいですが、そのせいか「男の子」として見られることの多い生徒さんだと思います。この番組のダンスでも他の生徒さんたちに比べるとかなり小柄だということがわかります。

ところが踊り始めるとそのキレのよい動きがとても目立っていて、ムーンウォークができる生徒さんというのでビックリしました。あれをスムーズに見せるためにはストリートダンスの素養が必要だからです。2013年というと96期の彼女はまだ研5ぐらいでしょうから、早くからダンスの実力があったと見るべきでしょう。

その後はあまり目立たないというか、朝夏まなとのお披露目公演「TOP HAT」でも舞台では抜きん出て光っていたという印象はありませんでした。ただし、その後の宙組の公演を観ていませんから、彼女がどう「台頭」してきたのかは僕にはわかりません。

つまり、「ハッスルメイツ」の和希そらは、最近の宝塚では初心者である僕にとって、「突然真ん中に立っている若い男役スター」であったわけです。

 

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和希そらの実力と存在感に驚く

バックには電飾で大きくSORAと書かれ、「君のソラ」などという曲を独唱し、最初は「これは一体和希そらのワンマンショーなのか」とビックリしました。それほど「主役」として中央に押し出されていたからです。

しかし、上手い。
音程はしっかりしているし、低音もよく出ています。どんな曲も難なく歌っているようにみえるのが、とても耳に心地よいのです。しかもダンスの合間でさえも息が上がりません。

そして第二部のほうのソロダンスが圧巻でした。ダンスに定評があるのは聞いていましたが、白い衣装に裸足で踊る姿から目を離すことができませんでした。伸び伸びとしていてつま先まで神経が行き届いていますし、彼女の身体は軽やかに自由自在に筋肉を使い、そのダンス技術の高さと相まって舞台に不思議な空間をつくりあげていました。

僕はまだあまり宙組の舞台を観ていないのでよくわかりませんが、彼女の立ち位置はどこにあるのでしょう。実力も華もある生徒さんであることは、この「ハッスルメイツ」の舞台が証明していますし、実際にネットでも彼女の活躍に大いに期待するファンも多いと見受けました。

「そびえたつ男役たち」の多い宙組ですが、小柄ながら別格としての地位をぜひ確立してほしいと願っています。

 

盛りだくさんのショー「ハッスルメイツ」

「ハッスルハッスルハッスルハッスル、ハッスルメーエイツ♪」というかなり陳腐な歌詞の、繰り返しの多い主題曲で始まったので、どうしたものかと思いましたが、それからはバラエティーに富んだ馴染みのある曲が次から次へと流れていき、飽きさせませんでした。

歌あり、ダンスあり、寸劇ありと盛りだくさんで、どちらかというと伝統的なレビュー形式にのっとっていると思います。人数が選抜で少ないだけに下級生たちにも表に出る機会が与えられて、まだそんなに沢山の生徒さんたちを知るわけではない僕にも、何となく顔がわかるようになってよかったです。

アカペラのアマポーラの素晴らしさもさることながら、宙組若手たちのコーラスの美しいこと。エリザベートの歌はコーラスとしては初めて聴きましたが、こういう編曲も興味深いです。

また、和希そらと天彩峰里の公演での寸劇も微笑ましかったです。こういう小さくてほんのりとした人情劇もほろりとさせていいものですね。

ただし、寸劇のルキーニと青汁の部分はギャグがあまりに稚拙すぎて笑えず、だらけていましたし、観客もどう対応したらいいのか困ったのではないでしょうか…。

もうひとつ、瀬戸花まりの酔っぱらいの歌ですが、残念ながら何十年もオーストラリアに住んでいる僕にもほとんど英語が理解できませんでした。ここは英語ではなく日本語の歌詞でもよかったのではないでしょうか。僕にわからないのですから、観客にもサッパリだったでしょうし、瀬戸花まりが熱演しているだけに残念でたまりません。

ひとつひとつを取ってみれば難もありましたが、全体的には色々と網羅されていて楽しいショーになっていたようです。

僕はタイトルにも「和希そらのワンマンショー」と書きましたが、その彼女の周りと脇を固める新進気鋭の若手たちがいなかったら、このショーは成り立たなかったと思います。喝采。

最後に、余談ながら。
劇団サイトには紹介のところで「様々な想いを発する(ハッスル)躍動的なライブパフォーマンス」と書かれていて、「誰だ、こういう親父ギャグを発する劇団スタッフは…」と苦笑してしまいました。

 

実はここでもうすこし天彩峰里について書きたかったのですが、長くなりそうなので次回に回します。

 

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コメント

  1. moon より:

    私は和希くんは宙組の別格として終わるのではなく、組替えして番手付きのスターになってほしいですねー。スーパースターなので、宙組で飼い殺すには惜しいんです。

    • zukamen zukamen より:

      moonさんへ:

      こんにちは。ああ、なるほど…組替えという手がありましたね。

      僕はなんだか和希「そら」が「宙」組とオーバーラップして、どうしても宙組に残るような気がしていました。

      いずれにしろ、もう少し前に出てほしいなと思っています。