チケット不正転売禁止法が6月14日に施行、宝塚チケットへの影響は?

宝塚あれこれ
unsplash-logoBrigitte Tohm
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長らく宝塚ファンが待ち望んだ不正転売禁止法が6月14日に施行されます。
宝塚のチケット転売のせいではありませんが、2020年の東京オリンピックのチケット販売に関して、また転売ヤーが動き出すのを見越しての施行になったのだと思います。

僕も以前高額転売チケットに関してブログ記事を書きました。

転売についての友の会の見解と法律としてのオーストラリアの転売規制法
色々な場所で書かれていますが、僕も宝塚友の会の発表を読みました。 チケットが手に入らなくて転売サイトを利用したことが1度ありますが、こういうことだったのかと今少々驚いています。 高額転売の1年だけで100名もの登録抹消というのは由々しき事態...

そのときはオーストラリアの転売規制法についてがメインでしたが、今度はとうとう日本全国での施行です。色々とまだ問題点も残りますが、まずは「法律」になったということで嬉しく思います。

 

高額チケット転売サイトは増えているが…

以前「チケットキャンプ」というサイトが存在していました。僕も数年前どうしてもチケットが手に入らなくて買ったことがありますが、そのときは20%ほどの上乗せだったと記憶しています。

ただ、宝塚だけではなく外部公演に関しては、ものすごい転売値段になっていてビックリしたこともあります。当時の北翔海莉主演の「One Voice」などは20倍に跳ね上がっていましたから。

いずれにせよ、不正転売容疑などが明るみに出てから、2018年5月にチケットキャンプはサイト閉鎖に追い込まれました。

その後はまるで「雨後のタケノコのごとく」様々なサイトが立ち上がり、メルカリなどのオークションサイトでもチケット転売が多くなり、どう考えても法律規制が必要なほどの「野放し状態」だったと言えると思います。

しかし、この6月の施行を前に、フリマアプリやオークションサイトが次々に「チケット転売禁止」を表明しています。

https://www.asahi.com/articles/ASM4K7GWRM4KUTQP01S.html

今のところは「メルカリ」「ヤフオク!」「ラクマ」だけですが、これからこの規制法がもっと一般的になるにつれて、他のサイトも慎重にならざるをえないでしょう。

 

許せない転売ヤーの手口

転売ヤーの手口として一番許せないのは、チケット発売日…というよりチケット発売開始時間にボットというコンピューターのプログラムを使ってアクセスを独占するやり方です。これが一般的なやりかたで、日本経済新聞の記事ではそのために一般客が全くアクセスできない事態が発生しているということです。

18年5月のあるイベントチケットの販売では、開始後30分間のアクセス50万回のうち、約45万回が自動プログラムだったと判明した。
ー日本経済新聞チケット、ネット高額転売に網 6月に新法」

僕も一度「ぴあ」と「宝塚歌劇」のサイトで一般前売を試したいことがありますが、どちらも最初の30分ほどは全く繋がらず、繋がったときには「完売」でした。80%の電話が自動プログラムでは勝ち目はありません。

実はこうした転売ヤーは、昔は「ダフ屋」という名前で公演前の劇場、またはコンサート会場の周りに存在していました。「公共の場」でのダフ屋行為は各都道府県では迷惑防止条例で禁じられていましたが、新しく登場したネットは「公共の場」としては認められず、ネット転売が横行するはめになったのだと思います。

以前のブログ記事にも書きましたが、宝塚友の会はそうした高額転売の抑制として100名以上の会員を登録抹消しましたが、鳳月杏のディナーショー(東京)の転売を見る限りまだまだ追いついていない状況です。

鳳月杏ディナーショーで始まった「本人確認」の利点と問題点
鳳月杏のディナーショー前売りは、始まってからあっと言う間に売り切れました。あとは当日券のみということです。(…って一体何枚当日券というものがあるのでしょうか) その後2日前に出た宝塚ホテルの受付方法変更では、今回初めて「本人確認」が始まった...

 

違法になる高額転売と違法にならない個人的転売

文化庁のチケット転売規制法のページによりますと、次のような転売が違法になります。

「特定興行入場券の不正転売」とは,興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって,興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの

「業」というのは「反復持続の行為」つまり「常習犯」の行為のことです。簡単に言うと、「転売」を目的としてチケット購入を持続的にするひとが対象なのです。

例えば、ボットのコンピュータープログラムを使って複数のチケットを購入したと証明されれば、不正転売を前提とした不正仕入と判断されて告発されると思います。

罰則としては「1年以下の懲役か100万円以下の罰金」です。大した額ではありません。僕はこれを「生ぬるい」と思いますが、皆さんはどうお考えでしょうか。

 

ただし、「病気で行けなくなった」「仕事で行けなくなった」「緊急の用事で行けなくなった」から、適切な転売価格で譲渡する個人を対象とはしていません。
従って、おけぴのような定価またはそれ以下の転売をしているサイトも、対象になりません。

 

法施行後に宝塚の高額転売はなくなるのか

残念ながら、法自体が「転売ヤー」と呼ばれる職業を対象としているため、高額転売がなくなるわけではありません。

大手の転売サイト「チケットストリート」は、「高額であっても購入できるという選択肢は大切なので、引き続き個人による転売はサポートしていく」と言います。つまり、宝塚友の会の会員が個人的に自分の分とついでに2枚購入して、その2枚を20倍の値段でさばいて収入を得るということは可能なのです。

そうした「人目につかない高額転売」を目的とした「個人」を聞いたり見たりしたら、劇団にぜひ通報して欲しいと思います。ファンの方たちの横の繋がりほど有用な防止策はありません。

興行主(つまりこの場合は宝塚歌劇団)がチケットのデジタル化をメインにしてIDを表示させたりする方法もあります。ただし、個人が行けなくなった場合の「公式受け皿」の整備も同時に行わなければなりません。

個人的に「公演に行けなくなった人」はいつでもいるわけで、そのためにチケットを無駄にすることがあってはならないし、何らかの事情で行けない人を処罰する必要は全くないからです。

先の鳳月杏のディナーショーに関しては、関西のホテル側が名前の確認などを行ったため、転売がほとんどありませんでしたが、その代りその「行けなくなった人」への受け皿は準備できていたのでしょうか。その後のニュースがありませんでしたので、なんとも片手落ちだなあと感じていました。

 

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簡単ではありますが「チケット不正転売禁止法」に関してまとめてみました。
この法施行のせいで、少しでも高額転売が減少することを願っています。
特に宝塚歌劇のように熱心なファンに支えられている公演については、その「観たい」というファンの願いを逆手にとって自身の利益に結びつけようとする卑劣な行為を断じて許してはならないと思います。

 

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