2022年「Sweet Little Rock ‘n’ Roll」で若々しい縣千の躍動感あふれる舞台を楽しむ

雪組
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202201140000350.html
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縣千という新進のスター候補生を見るために、鑑賞した「Sweet Little Rock ‘n’ Roll」ですが、その後相手役だった夢白あやが雪組娘役トップになると聞き、俄然興味がわいた作品です。

1985年初演の「「Sweet Little Rock ‘n’ Roll」をリメイク

http://www.hankyu-bunka.or.jp/archive/?app=shiryo&mode=detail&list_id=761&data_id=100120

1985年当時はまだ少し宝塚を観ていた時代ですが、もちろんバウホール作品には全く縁がありませんでした。白状すると、僕はまだ一度も宝塚大劇場にもバウホールにも行ったことがなく、観劇はもっぱら東京宝塚劇場でした。今は懐かしい新宿コマ劇場にも足を運んで、宝塚観劇をしたことがあります。

37年前の上演ですから、リメイクにそのままでは時代にそぐわぬ場面があったことでしょう。ロックンロール時代の作品とはいえ、80年代の当時の作品を見るとどうしても古臭さが拭えません。そのせいで、振り付けも変わり、曲も当時のロックンロールヒット曲から全てオリジナル楽曲になったと聞きました。

縣千という新進スターの初主演作はダイナミックだった

101期初の主演スターということで話題になったそうですね。
宝塚の男役生徒さんたちはもうトップを狙うのが3ケタの世代だとは…時代の流れを感じます。

懸千は舞台映えする美貌と体格で、舞台に出てきた時からすでにその存在感が大きく出ていて、将来舞台の中心に立つのが予想されるオーラがありました。文句なしのスター候補生です。

そのダンスはすでに様々なところで話題になっていますが、驚くほどの躍動感を持って観客を魅了します。指先まで届く繊細なしなやかさというより、体全体を使って荒々しく強い動きに特化したダンスです。その高いジャンプを見た時には、僕も「あっ」と声をあげてすぐに少し戻してもう一度味わったぐらいです。こんなジャンプは昔の但馬久美のダンスでしか見たことがありません。

フィナーレのダンスでも燕尾服群舞はまさにその躍動感を表現したものとなっていて、若手たちの動きを堪能できる素晴らしいものでした。
ただし、デュエットでリフトのあとに夢白あやを下ろす時にどすんと音がしそうな勢いでしたが、あそこはもう少し娘役をそっと大切にいたわるような、そしてリフトから流れるような仕草が必要だったように思います。

https://www.sanspo.com/article/20220114-DHVQXNX5HRO5HB62NWEITCU4K4/

そして、歌い始めると…声自体は悪くないのですが、一生懸命歌っているにせよ、音程と音域が不安定で聴かせるまでに至っていないのです。現在のトップ彩風咲奈も最初に歌を聴いたときには「うーむ」と唸ってしまいましたが、丁寧に歌いこんだ「ファントム」では涙を誘うほどの情感に満ちていましたし、トップとなってからは自信がついてそれほど気にならなくなりました。
歌は練習量と努力によってある程度聞かせられるものになります。元々声に透明さがなく、最後まで歌ヘタクソだった麻路さき(僕はファンでしたが)よりは上手くなるのではないかと思います。

今回の舞台はもちろん高校生たちの恋愛劇という設定ですから、若手生徒さんたちの若々しく新鮮な演技が舞台ではひときわ楽しい雰囲気をかもしだしていましたが、これは初主演の縣千にとっても「当たり」でした。細やかな情感と表情を出す必要もあまりなく、若さと楽しさと笑いであっという間に終わってしまった舞台ですから。
それだけに、将来の舞台で「若さと躍動感だけでは押しきれない芝居心」をどのように作り上げていけるかが、縣千の今後の課題でもあると言えます。

夢白あやは「宝塚の伝統的な娘役」の顔だった

最後に夢白あや。雪組の時期トップ娘役というニュースを聞いてからのビデオ観劇でした。
まずは舞台で映える昔からの宝塚娘役としての美貌が際立ちます。どう言ったらいいのか、現在のトップ娘役たちは(もちろん男役より年が若いということもあるのでしょうが)皆「かわいらしい」顔立ちなのです。昔は「伶美うらら系」、時代とともにアイドル顔になったということでしょうか。それが悪いというのではなく、ジジイの僕がまだ若い頃の観劇では、大原ますみ(熱烈なファンでした)、高宮沙千、初風諄などの「大人の女性」を演じるトップ娘役が多かったのです。

だから、この夢白あやを見た時に不思議と違和感がなかったのは、僕の目に慣れた娘役の顔だからかもしれません。

今回の役は若々しくお茶目で、しかも気の強い高校生です。他の役を見たことがないのでわかりませんが、彼女にはしっとりとした大人の女性の役が似合うような気がしてきました。
…と思ったら、僕の大好きな「心中・恋の大和路」で梅川を演じていたではありませんか。調べてみたらブルーレイが出るようなのでさっそく予約することにします。

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