七海ひろきが男装女子を演じるTVドラマ「合コンに行ったら女がいなかった話」

退団後のジェンヌたち
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宝塚OGの七海ひろきがテレビドラマに初出演・初主演とのことで、ずいぶん話題になっていたテレビドラマ「合コンに行ったら女がいなかった話」。
彼女だけでなく、瀬戸あきらと如月蓮も加わって男装女子3人組として出演するとなると、一体どんな話になるのかと興味が湧いてきました。

日本のテレビドラマは古いものしか知らない…

実は僕はもう30年ほど日本のテレビドラマを観たことがありません。あまり興味がなかったし、僕が海外に出たころはまだ日本のテレビが観られるようなシステムもできあがっていませんでしたから。

僕がまだ覚えているテレビドラマと言ったら仲代達矢の「新・平家物語」や田宮二郎の「白い巨塔」などで、どう考えても今の宝塚ファンの皆さんが首をひねってしまうほど古いものばかりです。

ですから、そんな意味でも今の若い世代がどんなものを観ているのか興味がありました。

そして、もうひとつは「七海ひろきがまた新しいメディアに挑戦」ということに驚いたからです。

宝塚OGたちが演じる「男装女子」

日本にもサブカルチャーとしての「男装女子バー」は昔からありました。
僕も昔女性たちに連れられて行ったことがありますが、要するに女性が男性の格好をしてお酒の相手をしたり、ちょっと雰囲気のあるスローダンスなどに誘ってくれたりするバーのことです。ただ、こちらはあくまでも「男装」です。
トランスとしての「男性」たちは、ホストクラブなどで働くことのほうが多くなりましたし、「男装女子」とは違います。

そんなわけで、僕はこの少々淫靡な世界を「清く正しい宝塚」から来た元タカラジェンヌたちがどう演じるのか!と思っていました。

ところが、蓋を開けて第一回目のエピソードを観たら、どうも雰囲気が違います。僕は原作の漫画を読んでいなかったので、たぶんコメディだろうなぐらいの予備知識しかありませんでした。

対照的な雰囲気の「男装女子」と「イマ風大学生男子」

最初に驚いたのは、今の若者向けドラマは吹き出しやキラキラが頭の上に出ることでした…。漫画と同じなんですね。新鮮で面白かったです。

七海ひろきたちの「男装女子」は、たぶん舞台人ゆえの大振りな仕草などを演出で抑えられたのだと思いますが、どちらかというと無表情で大真面目でセリフも少なく、存在感だけが一人歩きをしている雰囲気でした。宝塚の男役には独特の動きがありますが、それがないため「男でもなく女でもなく」まさに七海ひろきの退団後の中性的な魅力を盛り込んでいたような気がします。ただし、あまりにも「妖しい男装女子」の雰囲気を前面に出したため、少々ぎこちない演技になっていたのは否めません。

対照的なのが表情豊かで漫画のような大仰でコミカルな仕草の大学生たち。若さ満点で動きにも速さがあり、どちらかと言うと高校生ぐらいの年齢に見えてしまいました。表情も幼いですね。

年齢の開きはどうしようもないのだが

さて、もうひとつ気になったのは年齢。
宝塚OGとはいえ、すみれコードはまだ効力を発揮しているわけでハッキリとは断言できませんが、どうも女子と男子の年齢差がありすぎるような…。

男子のほうは大学生ですから、どう考えても20代になったばかりの年齢。代わって女子のほうは皆宝塚入団から15年以上はたっている元ベテランスターたち。蘇芳役の七海ひろきは大学「院」生という設定ですが、それでも隣に立ってみれば年上感があります。男装バーという特殊な世界で生きている(まあ、アルバイトではありますが)彼女たちが、果たして「子犬をかわいがる」以上の恋愛感情を、この騒々しくて若くてかわいい大学生たちに感じるものでしょうか。

…と真面目に考えてしまいましたが、もちろんそれはこのドラマには必要のないヤボな意見だと思います。

男装女子のドラマはこれからどう進んでいくのか

七海ひろきたちが果たして「女装」もするのか、それともこのままの「男装」で恋愛に突入するのか。そして、第1話ではあまり感情を表に出さない男装3人組がこれからもっと内面をさらけだしてくれるのか。30分のドラマですから、起伏を出すよりも、その場の楽しさと場面転換の面白さであっと言う間に終わってしまうシリーズかもしれません。

僕はこうした場面を繋ぎながら流れていくショートドラマより舞台に魅力を感じてしまいますが、それでも宝塚OGたちがこうしたテレビドラマにも出演し始めるのはとても興味深いと思います。

かつては「女優として」ドラマに出演する宝塚OGばかりでしたが、七海ひろきがありのままの姿で幅広い活躍を見せている今、こうした斬新なアイデアが出てくるのは当然だったのかもしれません。

まだ第1話ですから、この先の展開はわかりません。僕は今のところ原作を読むよりこのドラマがどう進められていくのかに関心を持って観たいと思います。

日本では見逃し無料配信もネットから観られます。

 

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