北翔海莉、音楽劇「ハムレット」のガートルードに

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熱を出して寝込んでいましたが、やっと今週から復活・出勤。
鬼の霍乱ですね。そのせいでたまった書類を見て昨日から頭をかかえています。

さて、そんなときでも寝ているのに嫌気がさしてネットで色々なニュースを見ていましたが、Twitterでは北翔海莉がなんと「ハムレット」でガートルード役をするということを教えてもらいました。

 

西洋の衣装・音楽に和楽器の鳴り物という新しい音楽劇

音楽劇だそうですし、演出は藤間勘十郎、「洋式の音楽・コスチュームに和楽器の鳴物を加えた、海外上演を目指す勘十郎ならではの演出に期待してほしい」とのことで大変面白い取り組みになりそうです。

先ほど、Instagramで写真家深谷義宣の撮影した北翔海莉の「ハムレット」用ポスター写真を見ましたが、いやはや美しいです。

 

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ガートルードは運命に流されるか弱い女性だが

ハムレットのガートルードは、デンマーク王が死んだ後にその弟で王位を継いだクローディアスと再婚します。それも亡き王の死からたった2ヶ月後に。
その背信とも思える母の再婚と亡霊としての亡き父王の頼みに、ハムレットは狂気(と周囲に思わせる行為と言葉)とその堂々巡りの思考で悩み抜くのです。

シェークスピアのガートルードは自分の意志さえないかのようなか弱く心細い女性です。その彼女が実際は悪女であったのか(つまり夫を亡き者にしようとその弟と画策したのか)それとも全く何も知らずただ運命に流されたか弱い女性だあったのか(つまり善良であるがゆえに受け身にならざるをえなかったのか)、今でも学者たちの論争のまとになっているほどあまり深く描かれていない女性です。

ハムレットには再婚をなじられ「そんなに責めるのはやめて」と泣き崩れるだけですし、最後にはクローディアスがハムレットのために用意した毒入りの酒を「間違って」飲んで死んでしまいます。何ともやりきれない一生ではありますが、それをどう解釈した演出になるのか、そして北翔海莉がこの「受け身の女性」をどう演じるのか、興味津々です。

 

2019年の映画「オフィーリア」では女性たちが主導権を握る

日本ではまだ公開されていないと思いますが、僕がいち早くアメリカのストリーミングで観てしまった映画があります。今年春に公開された「オフィーリア」という映画です。

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では、主人公のレイを演じたデイジー・リドリーが主役のオフィーリアを演じていますが、これがまた予想外におもしろいシェークスピアの「ハムレット」番外編となっています。

ハムレットは主役ではなく添え物的役割ですが、この映画ではなんとオフィーリアが主役で、ハムレットに大変むごい言葉を浴びせられとうとう狂気の果てに(事故か自殺か物語の中では何も明かされませんが)川で溺れて死んでしまいます。

悲劇の女性で、こちらもまた一途に愛したハムレットをひたすら待つ女性として描かれていましたが、今回のこの「オフィーリア」では全く違います。大変行動力のある、どちらかと言うと現代風の考え方の持ち主で、フェミニズムの観点からとてもおもしろい描かれ方をしています。ちょっとネタバレをすると、最後に川で死にませんし。

さて、この映画ではガートルードもまたただのか弱き女性ではありません。最後にハムレットの死を見て目が覚めたのか、クローディアスを刺し殺し、「自らの意志で」毒をあおって死んでしまいます。シェークスピアの原作では「間違って」毒をあおる、あくまでも受け身の女性ですから。
双子の妹とともに、この映画ではかなり重要な役どころとなっています。

とても現代的な解釈と演出で「こういう視点もあるのだな」と僕などは目を見張ってしまいました。

そして、こういうガートルードなら北翔海莉にはピッタリだろう、とも。彼女がこちらのガートルードを演じるなら、その強い意志と決断が新たに生き生きとよみがえるような気がするのですが、さてこの音楽劇ではどうのようなガートルードになるのでしょうか。
楽しみです。

 

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