今日東京宝塚劇場は花組千秋楽を迎え、男役トップスター明日海りおが卒業していきました。毎年何人もの生徒さんたちがこうして宝塚を去っていきますが、近年まれに見る集客率を誇った明日海りおの卒業にはやはり感慨深いものがあります。
男役として生きることにすべてを捧げ、身も心もそいでそいで消えてなくなるかと思いましたが、すべてをやり遂げた今、皆さんに受けた愛が大きく身も心もふくよかに立っております。
by スポニチ https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/11/24/kiji/20191124s00041000458000c.html
宝塚100周年の年にトップとなり、それから5年半。
明日海りおは本当に身も心も削いで宝塚に捧げてきたのだと思います。舞台で見る身体が段々と薄くなってきたことにはファンも気づいていたでしょうし、宝塚の集客率ではずっとトップを誇ってきたスターとしての重圧も想像をはるかに超えるものだったことでしょう。
さよならショーも上演された今日の千秋楽の模様はライブビューイングとして47都道府県、香港、台湾の186館もの映画館などでライブ中継され、宝塚史上最大規模となりました。
トップスターが生まれ、そして去る。こうした営みを100年以上続けてきて、また新しいトップスターを迎え新しい舞台が話題となります。
僕は100周年記念のNHK番組での花組稽古場の様子を今もよく覚えています。蘭寿とむが退団を決意してから2ヶ月後のことで、当時トップだった彼女の前で「次のトップとして」明日海りおが花組プロデューサーから紹介されたのです。周りには当時の花組メンバー望海風斗、芹香斗亜、そして柚香光もいました。
皆がまだ笑顔で拍手するなか、蘭寿とむの笑顔は明日海りおに向けられてからすぐに冷えていきました。複雑な心境がそのまま顔の表情となって映像として残っています。
無理もありません。退団が決まったそのときから、すでに次のスターの準備が始まるのですから。その準備にも次の舞台の脚本にも蘭寿とむの姿は全くないのです。
明日海りおも稽古場で同じ表情を見せたかもしれません。そして、退団が公式となってほっとしたと同時に一抹の寂しさと哀しみが押し寄せたことと思います。
花組トップ男役としてのこの写真もリンクもたぶんもうすぐ完全に削除されます。
全てを捧げてきた17年間のあと、明日海りおはどんなふうに「退団後」の人生を歩んでいくのでしょう。真っ白なベンツのオープンカーで沢山の花とともに走り去って行った彼女に、ただ「幸多かれ」と願うのみです。I wish you all the best, Rio Asumi.
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